大阪はミナミ、なんばの近辺、千日前通りと御堂筋が交差する信号より東へ向かい、戎橋を通過し一筋目を北に進むと、右手に法善寺横丁の入り口が見えます。小さい入口で気がつかず通りすぎてしまいかねません。ましてや夜ですとわかりにくいのです。
横丁に入ると表通りとは全く異なる雰囲気です。狭い道の両側に軒を並べるお店が独特の空間を作り出しています。石畳の路地を歩くと、線香の香りがほのかに漂ってきます。
横丁の中心にある法善寺は、「水かけ不動さん」の名で親しまれている不動明王です。商売繁盛、恋愛成就などさまざまな願いをこめて、お詣りする人がひきもきらず水をかけてお祈りしています。
法善寺横丁というと織田作之助の小説「夫婦善哉」です。水かけ不動さんの隣にある、ぜんざい屋が舞台になりました。今は法善寺MEOUTOビルとしてリニューアルされています。
もともと浄土宗天龍山法善寺の境内の露店から発展したのが法善寺横丁です。二度の度重なる火災から街の存続が危ぶまれたこともありました。
横丁に入ってすぐのところにあるお寿司や「一心」に腰をおちつけました。そこで握りを食べ、日本酒をたしなみました。お客はだれもいませんでした。お店の人と大坂の話、東京の話とか、がいろいろでした。いい気分になってホテルに戻りました。