【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

安達朋博ピアノコンサート

2019-12-21 23:07:36 | 音楽/CDの紹介


安達朋博さんのピアノコンサートに出かけました。「いたばし afternoon concert」の第2回目です。場所は板橋区文化会館。

演奏曲は、チャイコフスキー「クリスマス」、ショパン「幻想即興曲」、ベートーベン「悲愴ソナタ」、ラフマニノフ「ヴォカリーズ」、リスト「愛の夢」「ラ・ヵンパネラ」「ノルマの回想」、ペヤチェヴィッチ「バラ・赤いカーネーション」などです。アンコールでは、「ニューシネマパラダイス」、他2曲を演奏しました。緩急自在の演奏で、実力者です。クロアチアで研鑽し、この国との音楽

交流の担い手でもあります。
無口なように見えましたが、トークが好きなようで、演奏曲の説明、自身のクロアチア体験、幼少のころの母親の思い出など、楽しそうに語ってくれ、記憶にいつまでも残るコンサートでした。

都電荒川線

2019-12-19 17:22:22 | 散歩
「吉村昭記念文学館」に、蓮田市から行くには、JR王子駅まで出て、そこから都電荒川線に乗り換え、12番目の停車場「荒川二丁目」で下車します。そこから徒歩2分です。

都電荒川線は都内で唯一のこっている路面電車です。発車のときにチンチンと鐘がなり、それはのどかです。

速度はおそく、ゆっくりです。主にこの界隈に住んでいる人たちが利用しているようで、買いもの客、お年寄りの散策、高校生などが入れかわり立ちかわり乗っては降りています。乗車料金は距離に関係なく170円です。

この電車に乗ったのは10数年ぶりです。





「吉村昭記念文学館」(荒川区)

2019-12-18 20:55:32 | 文学
荒川区にある「吉村昭記念文学館」まで足をのばしました。わたしは、吉村さんの小説をかなり読みました。「長英逃亡」「落日の宴」「高熱隧道」「関東大震災」「三陸海岸大津波」「ニコライ遭難」「冬の鷹」「白い航跡」「破船」「戦艦武蔵」「陸奥爆沈」などです。

徹底した取材にもとづく小説作法、硬筆の文体などに惹かれました。「記念館」には吉村さんの書斎、原稿、年譜、ビデオなどが陳列され、偉大な作家の姿を彷彿とさせるものでした。書斎の再現は、生前、吉村さんが使っていた机、椅子、ぎっしり資料がつまった本棚が並んでいて、椅子には座ってもよい、というのでそこに座らせてもらいました。








西村由紀江「ピアノ」

2019-12-15 16:17:14 | 音楽/CDの紹介
ピアニスト・西村由紀江さんのCD[ピアノ」です。西村さんの弾く曲は、どれも語りかけてくるリズムと音色です。時々、ラジオやメディアで何か語りかけてくるようなピアノだとふと耳を澄ますと、それは西村さんのピアノだったことはよくあります。

音楽的センスに乏しいわたしにもわかる優しさです。

1. ピアノ
2. 風の旅(BS朝日「世界の名画」のテーマ曲)
3. 忘れないために(「NHKアーカイブス」テーマ曲)
4. 道の途中で
5. 鬼政(テレビ朝日系「鬼龍院花子の生涯」より)
6. 前へ
7. 回想(BS日本「こころの歌」エンディング曲)
8. 椿(テレビ朝日系スペシャルドラマ「鬼龍院花子の生涯」テーマ曲)
9. あっ、見つけた
10. 世界をつなぐもの
11. 自由への階段
12. いつか帰る場所



ジュゼッペ・デ・サンティス監督「にがい米(Riso Amaro)」(イタリア、1948年、105分)

2019-12-14 20:28:03 | 映画

       
        

 北イタリア地方の稲作地帯、1948年という設定。田植えの時期になると、出稼ぎ労働で大量の女性がここに集結します。彼女たちはモンディーナ(田植え女)と呼ばれます。機械化されていなので、手で一本一本、根気よく苗を植えていく作業。それなりの収入にはなりますが、過酷な労働です。映画のなかではこのような忍耐が必要な労働は女性でなければできない、と言っているくだりがあります。

             
      
 仕事をするには、契約をしなければなりません。映画の前半では、契約がとれない女性たちがいわばもぐりで割り込み、契約をとって仕事をしている女性たちと対立するシーンがあります。シルヴァーナ(シルヴァーナ・マンガーノ)は偶然知り合ったフランチェスカ(ドリス・ダウリング)に仕事をさせますが、それはフランチェスカに契約をとれない状態でまずもぐりこませ、そこで仕事の成果をあげれば、それを認めてくれて収入がえられるとの目算からの試みです。

 この映画にはもうひとつ大きなストーリーがあり、それは偽のダイヤモンドをちらつかせてシルヴァーナを欺き、彼女を利用して、収穫された大量のコメを盗もうとする悪党ワルテル(ヴィットリオ・ガスマン)がその企てに失敗し、シルヴァーナに撃たれて死ぬが、彼女も自殺を図る悲しい結末です。

 この映画は主人公のシルヴァーナの豊満な肉体が話題になりました。しかし、本当はそれはこの映画の評価にとってはあまり意味がなく、米作労働の厳しさが切実に描いていることこそが評価されるべきだと思いました。田んぼのなかでの対立する女性労働者の格闘シーン、水田でモンディーナのひとりが流産するシーン、自殺したシルヴァーナの遺体に女性たちが次々に一握りのコメをかけ弔うシーンは、いつまでも記憶に残ります。 

 

監督:ジュゼッペ・デ・サンティス
原作:カルロ・リッツァーニ
脚本:C.アルヴァーロ、ジュゼッペ・デ・サンティス他
撮影:オテロ・マルテリ
音楽:ゴッフレード・ヴェトラッシ
出演:シルヴァナ・マンガーノ(シルヴァーナ)
   ヴィットリオ・ガスマン(ワルテル)
   ドリス・ダウリング(フランチェスカ)

 




ギルドqの第15回公演「トランス-女たちのフロイト的考察-」(於:キンケロ・シアター)

2019-12-13 16:14:16 | 演劇/バレエ/ミュージカル
ギルドqの第15回公演「トランス-女たちのフロイト的考察-」が「キンケロ・シアター」(中目黒)でありました。

カウンセラーがカウンセリンググループであった3人の女性に「トランス」という治療法を施し、心の奥底に眠る本当の自分自身を気付かせるというものです。これがミュージカル形式で展開されていきます。

3人の女性(小西萌子さん、村岸優希さん、迫田萌美さん)の歌が見事ですし、アンサンブルのダンスにも拍手です。若い人がこういう舞台をつくってくれるのは、うれしいです。

なお、「キンケロ・シアター」(写真)というのは、キンキンこと愛川欣也さんとケロンパことうつみ宮土理さんによって建てられた劇場です。








中村哲『アフガニスタンで考える』岩波ブックレット、2006年

2019-12-12 21:02:35 | 政治/社会


 アフガニスタンのことが、相変わらず知られていません。正確な情報が報道されていません。

 著者が日本にたまに戻ってくると「アフガンは落ち着きましたか?」などときかれ愕然とするそうです。そんなに報道がないのかと。

 実態は米軍、英軍の介入でますます泥沼化しているそうです。診療所も閉鎖せざるをえなくなったところが出ているそうです。飢餓も拡大しているそうです。

 食糧の確保、灌漑の普及、成果は徐々にでてきているというのがせめてものなぐさめです。米軍の空爆でタリバンが倒され「正義のアメリカ」により、アフガンに「自由とデモクラシー」がもたらされたかのような誤解が蔓延しています。そういう最中、国連の経済制裁があり、国民の困難は極まっているそうです。

 著者の現地での医療と性格支援活動の鉄則は、「異なる文化・風習に接して単に『違い』でしかないものを『善悪や優劣』にわけてとらえないこと」、「制約された文化・風習の中で『その患者にとって最善のものは何なのか』を探り準備すること」だそうです。

 教訓は「お金さえあれば幸せになれる」「武力があれば自分の身を守れる」というのはどちらも「迷信」の類だと著者は言っています。

 実践家ゆえに、言葉に力があり、無駄がありません。


「蓮田・平和のための戦争展」(12月7日)

2019-12-09 21:12:16 | イベント(祭り・展示会・催事)
7日に「蓮田・平和のための戦争展」(中央公民館)があり、出席しました。内容は次の通りです。

・新日本婦人の会朗読小組による朗読「地人会-この子たちの夏1945、ヒロシマ」

・「DVD視聴:『疎開保育園のけんちゃん=田辺健之さんの体験談』

・「体験談手記朗読」

・「講演:東京大空襲の実相と平和への道(東京大空襲・戦災資料センター:学芸員・比江島大和さん)」。

1945年3月10日の東京大空襲では、大量のB29による飛来、2・3時間の爆撃で、約10万人の市民がなくなりました。比江島さんは、アメリカの戦略と意図、空襲の意味、空襲された地域の特徴、行政の遅れた対応、軍事用語として疎開の意味、言問橋での火炎の実態、死者の構成(女性[母親]、子どもが多数)などを約1時間半にわたって詳しく説明してくれました。






ニホニウム通り(和光市)

2019-12-08 23:32:47 | 散歩
和光市にある理化学研究所は、自然科学の総合的研究機関です。駅から研究所までの歩道には、メンデレーフが提案した元素周期律表(118番まであります)を示すパネルがはめ込んであります。今日はそこを散歩しました。

原子番号順に、水素(H)、ヘリウム(He)、リチウム(Li)、ベリウム(Be)、ホウ素(B)、炭素(C)、窒素(N)、酸素(O)、フッ素(F)、ネオン(Ne)・・といった具合です。113番目のニホニウム(Nh)は日本の科学者(森田浩介教授を代表とする理研チーム)が人工的に合成してつくったものです。この通りはニホニウム通りと呼ばれています。











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降旗康男「居酒屋兆治」(1983年、123分)

2019-12-04 17:25:26 | 映画
「居酒屋兆治」を観ました。2回目です。監督は降旗康男、1983年の作品です。山口瞳の同名の小説の映画化です。小説では国立市が舞台ですが、映画では函館市です。
出演者がすごいです。高倉健、加藤登紀子、大原麗子、田中邦衛、伊丹十三、平田満、大滝秀治、ちあきなおみ、佐藤慶、石野真子、東野栄次郎、左とん平、武田鉄矢などなど。
主人公は兆治こと藤野英治(高倉健)です。高校野球で名を馳せるも肩をこわし、就職。そこでの仕事にあきたらず、解雇同然で、居酒屋を開業します。妻・茂子(加藤登紀子)と懸命に働き、店はにぎわっています。それなりに繁盛している様子です。兆治はかつて幼ななじみのサヨ(大原麗子)と交際を続けていましたが、わけあって別れました。サヨは他の夫と結婚しましたが、兆治を忘れられません。家庭生活がなかば崩壊し、身をおとし、酒浸りになります。二人の関係がメインテーマで、これに高校時代からの友達、土地問題などが絡み、錯綜した人間関係が繰り広げられます。
札幌の風景も出てきます。「すすき野」界隈です。懐かしいです。
高倉健が融通のきかない、しかし実直な男を演じていい雰囲気です。わたしはかつて大原麗子のファンであったので、彼女の人生が朽ちていくのが哀しかったですね。伊丹十三が怖い役を演じています。田中邦衛、平田満、大滝秀治は独特の個性です。加藤登紀子、ちあきなおみも好演です。東野栄次郎がいぶし銀でいい味をだしています。
なお「兆治」というのは原作者の山口瞳がロッテ・オリオンズの村田兆治投手が好きだったから、この名を主人公の愛称に使ったとのことです。


周防正行「シコふんじゃった」(1991年、103分)

2019-12-02 21:43:47 | 映画
立教大学出身の映画監督は多数いますが、なかでも周防正行監督が有名です。周防監督は「しこふっじゃった」(1991年、103分)という作品をのこしていますが、弱体の学生相撲部をあつかったこの作品のモデルは、立教大学相撲部です。

周防監督はこの作品のロケを立教大学に依頼したところ、拒否されたそうです。カチンときた周防さんは作品のなかの大学の名前を「立教」ではなく、「教立」とひっくり返しています。タッカーホールというホールがありますが、作品ではタッキーホールになっています。

周防監督自身は立教を愛していることに変わりありません。監督は立教での蓮見重彦の講義(映画表現論)を契機に映画監督の道に進みました。

廃部寸前の教立大学相撲部がかなり無理をして部員をあつめ、学生選手権に参加するというストーリーですが、もっくんこと本木雅弘さん、竹中直人さん、清水美沙さんなどが出演するユーモアあふれる作品です。