吉村昭の同名の小説が映画化されたものです。映画化は不可能といわれていましたが、相米監督がチャレンジし、成功しました。緒形拳、佐藤浩市、夏目雅子が好演です。とくに緒形拳のマグロ漁の場面はすごいです。夏目雅子はこのとき25歳くらいでしたが堂々とした演技です。
大間のマグロ漁師,小浜房次郎は堅物の頑固者です。房次郎は娘トキ子が結婚相手と考え,養子になって漁師になってもいいという依田俊一の願いを突っぱねます。漁に命を賭けてきた房次郎は俊一が簡単に漁師になれると考えることに腹立たしく思います。自分の喫茶店をたたんで大間に引越してきた俊一は房次郎の持ち船・第三登喜丸の前で待ち、漁を教えて欲しいと懇願します。房次郎は俊一を無視し続けましたが、とうとう一緒に乗り込むのを許す。
房次郎はエイスケの忠告で、トキ子が家出した妻アヤのように自分を捨てるのではないかと怯えたのです。しかし、俊一は連日、船酔いにおそわれます。
ある日、房一郎はマグロの群れにぶつかり、漁が始まります。マグロの餌が放り込まれた瞬間、マグロが引張るテングスが俊一の頭に巻きつきます。俊一はテングスにからまれ、血だらけです。とことが、房次郎はマグロとの死闘で、俊一のことはほったらかしです。大けがをして入院した俊一は、退院後、トキ子と町を出ていきました。
その後、北海道の伊布港に出稼ぎに出た房次郎は、妻のアヤと再会し、求めあいます。しかし、アヤのヒモである新一に絡まれた房次郎は彼を殴り倒します。翌日、伊布沖で房次郎は漁に出ますが、生まれて初めて釣糸をマグロに切られ、ショックを受け立ちおなれません。
俊一が大間に戻って来ました。そんなある日、俊一の第一登喜丸の無線が途絶えるという事故が終わります。一晩経っても消息はつかめず、トキ子は、房次郎に捜索を頼みます。房次郎は長年の勘で、第一登喜丸を発見します。俊一は300キロものマグロと格闘中でした。2日間の死闘の末、大物は仕留められる。しかし・・・。