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読売新聞で2002年5月から連載された「新日本語の現場」から、「方言の今」「方言の戦い」「マニュアル」のサブタイトルをもった記事を抜き出してまとめた本です。
日本語が変化しつつあるという認識のもとに、大手新聞社がもつ全国展開の支社の存在という強みをいかし、実施した総・支局調査の成果が開陳されています。
マクドナルドが「マック」と省略される地域(東日本、中国、四国、九州のほとんど)もあれば、「マクド」という地域(近畿6県、徳島県)もあります。
「今川焼き」が「大判焼き」になったり、「回転焼き」になったり。野菜は「煮る」のか、「炊く」のか? ご飯は「よそう」のか、「つぐ」のか? 整理整頓を「かたずける」と言うのか、「なおす」と言うのか? 一番最後のことを「ビリケツ」と言うのか、「ゲッパ」と言うのか?
ウンウン納得、エーそんなふうに言うの、と合点したり、驚愕したりでページがめくられていきます。話題満載です。
わたしの個人的な経験ですが、北海道では「紫蘇(シソ)」と呼んでいるものが、東京では専ら「大葉(オオバ)」といって売られています。かと思えば、ワイシャツがカッターシャツという地域もあるそうですが、これは「勝ったシャツ」の駄洒落に由来しているそうです。その理由がちゃんと説明してあります。得難いです。
方言といえば、関西弁が今、テレビなどのお笑い番組の盛況ぶりで全国展開しています。本書はその分析も行っています。古くは「バカ」と「アホ」との語感の違いが有名ですが、ここでは若者の携帯電話に使われる関西弁についても細かな言及があります。
「マニュアル」の個所では、日本語でわかりやすく伝えるにはどうしたらよいか、どんな日本語がわかりやすいと言えるのかについて、またPCや携帯電話の取り扱い説明書の難解さ、分りにくさ、それではどうしたら分りやすくなるのか、についての考察があります。
まことに日本語というものは難しいものです。このような議論は、外国の言語にもあるのでしょうかか??
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