作詞家で作家でもある、なかにし礼が『婦人画報』に連鎖した対談をまとめたもの。登場する相手は、黒柳徹子(「善意」のおしゃべり、「寛容」の大使)、宮沢りえ(ただ一瞬の喜びのために・・・)、黒川紀章(「弱さ」を認める精神が「共生」を育む)、小宮悦子(「恋」から始まったキャリアの第一歩)、五嶋みどり(天性の才能に身をまかせて進む「少女」)、柳家小三治(自己発現、自己確認、自己改善の日々)、コン・リー(中国が生んだ「映画の女神」)、黒鉄ヒロシ(遊びをせんとや生まれけむ)、松坂慶子(女優は、美しき鬼)、細川護熙・細川佳代子(生き続ける細川家の哲学)、錦織健(「言葉の魂」を歌うテノール)、北野武(暴力と死は、優しさと愛)。
小見出しが、対談の内容を凝縮しているので、紹介はほぼそれで十分。ただし、徹子さんがユニセフ大使になったのは、国連で「トットちゃん」が評価されたからとか、「共生」という言葉を作ったのが黒川紀章だとか、小三治が一時オートバイに凝っていたとか、松坂慶子の写真集「さくら伝説」の秘話とか、武が映画を撮り始めた経緯などは、読まなくてはわからない。対談で相手の魅力を引き出しているが、自らの人生も語っている。コン・リーとの対談では、なかにしさん自身が中国服を着ている(牡丹江生まれ)。
石原裕次郎との出会いも決定的だった。それぞれの対談の際に撮った写真が載っている。対談の後に撮ったのではなかろうか。対談の余韻が残っている。
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