☜金沢城
話題の北陸新幹線を利用して、金沢旅行を企てました。大宮から乗ると、「はくたか」では2時間40分ほど(往路)、「かがやき」では2時間5分(復路)ほどです。乗り心地? 東海道新幹線とあまり変わりません。当然、車両はきれいですし、細かなところはずっとよくなっているのでしょう。「走行中、東海道新幹線より静か」と答える人もいますが、それほどの差はありません。
金沢は一度は遊びに、仕事で二回行ったことがあります。遊びのほうはもうだいぶ前で、にし茶屋街、立妙寺(俗称忍者寺)、室生犀星記念館あたり、香林坊のあたりが漠然と頭にのぼるくらいです。仕事のほうは、金沢市内観光はしていず、夜は居酒屋だった記憶しかありません。
今回は短い旅行でしたが精力的にまわり、市内のことはだいたい分かりました。訪れた場所は、近江町市場、金沢城公園、兼六園、ひがし茶屋街、主計茶屋街、にし茶屋街、妙立寺、鈴木大拙記念館、21世紀美術館、長町武家屋敷跡です。夜は2日とも香林坊でした。歩いたり、バスに乗ったり、タクシーを利用したり、いろいろでした。金沢は気候が年中、気候が安定しない土地柄のようですが、旅行中の3日間は快晴で、恵まれました。偶然です。
今回の小旅行で気づいたことの主なものを列挙します。
(1) なんといっても、観光に力を入れ始めたことがわかります。駅の東口は「鼓(つづみ)」を現したデコレーションで、圧倒的な威容をほこっています。駅のなかのお店は。金沢の名品がぎっしりです。
(2)市内周遊しやすくなっています。「周遊」バスが走っていて、一日500円でまるまる使えます。便利至極。なかに女性の運転手も結構ワンマンで運転していました。
(3)やはり3月14日以降は、観光客ががぜん増えているようです。ひがし茶屋街は、そういう人種でひしめいていました。わたしも観光客に見えるのでしょう、ずいぶん「どちらから」と聞かれました。
(4)金沢の人と話ができるのは居酒屋です。少し酔いがまわり始めて、マスターとそして控え目に周囲の人との会話が、小気味がよいです。その話は明日以降、少しばかり書きます。
(5)わたしは、小さな豚のおもちゃを集めているのですが(自然と集まってしまったというのが本当のところ)、今回は「金箔」のついた豚のおもちゃを買いました。九谷の豚もいましたが、値段がはったので今度来たときに、ということで了解をつけました。
(6)あと、食べ物がおいしいです。これもあす以降、少しばかり書きます。
(7)朝食は2回、喫茶店でモーニング。二回ともトーストにサラダ、それにゆで卵ではなく、温泉卵がついていました。
☜兼六園
職場の近くにある一膳めし屋と、親しく思っている。20年ほど前、単身赴任で六年間過ごしたが、その頃は夕食時によく利用した。ここに来ると、同僚に会うことも多く、話をしながらの食事が楽しかった。
家庭的な雰囲気で、調理の仕事が丁寧。味付けがよく、それはご飯も、汁物ものの、お新香もみなそうで、それら脇役がメインの季節の焼き魚や、フライ、煮物を引き立てている。
夕食時や、昼食時にまともに行くとまず座れない。席数が多くない(カウンター席を含め14)。待つことになるが、待価値は十分である。それがいやなら、混雑の時間帯をはずすしかない。それでも相席のことが多かった。
今回、久しぶりに出かけた。雰囲気は変わらない。メニューの数は増えたようだし、組み合わせがかなり自由になったように思えるが、しばらく暖簾をくぐっていなかったので確かなことは言えない。
カキフライ定食を注文した。相席だった。スマホを見ながら食べている人が多く、その光景はかつてはなかった。
先日、歌舞伎座で演目を観たあと、ここによりました。「俺の**」はシリーズのように、最近、東京のあちこちで見かけます。このお店がその系統かどうかはわかりません。「俺の**」シリーズは立食が普通ですが、ここは違いました。それで、同じ系統かどうか、不明なのです(これから調べます)。
なかに入ると、すごい込みようでした。奥で生バンドが演奏していました。赤いピアノのそばで、サックスなどが音を出しています。「追憶」とか映画音楽のメロディーが流れていました。
椅子席に案内され、まずビール。次いで、ワインと紹興酒を所望。焼きそばとか、中華の皿をいくつかとり、おなかを満たしました。
全体に若者が多かったです。ワイワイにぎやかです。土曜のかなり遅い時間、みんなはどうやって家路につくのか、余計な心配をし、私も早々に切り上げました。
「菅原伝授手習鑑」は、「仮名手本忠臣蔵」「義経千本桜」とともに歌舞伎三大名作のひとつです。菅原道真(菅丞相)の大宰府流罪を題材とし、三つ子の舎人を中心に、それを取り巻く人間模様を描いています。
通し狂言ですが、夜の部を観ました(4時半開演)。三段あり、「車引」「賀の祝」「寺子屋」となっています。(ちなみに昼の部は、「加茂堤」「筆法伝授」「道明寺」です)。以下、チラシにあった筋書きです。
「車引」では、菅丞相の舎人梅王丸(愛之助)と斎世親王の舎人桜丸(菊之助)が、互いの主人公を追い落とした藤原時平(弥十郎)への恨みをはらすために、時平の乗る牛車の前に立ちはだかるのを、時平の舎人松王丸がこれを止めに現れます。三人は実は三つ子の兄弟で、今は敵味方に分かれています。遺恨を残しながら、三人はその場をあとにします。
「賀の祝」では、三つ子の父白太夫(左団次)の古稀を祝う宴に三人が女房をつれて祝いに集まるはずでしたが、桜丸が来ず、松王丸と梅王丸は顔をあわせるなり、喧嘩をする始末です。宴が終わり、桜丸の女房、八重(梅枝)を残して両夫婦が帰った後、桜丸が悲壮な面持ちで現れ・・・・。
「寺子屋」では、武蔵源蔵(松緑)が妻の戸浪と寺子屋を営みながら菅丞相の子、菅秀才を匿っていることが時平方に知られ、秀才の首を差し出すように命じられた源蔵は、悩んだ末にその日に寺入りした小太郎の首を検分役の松王丸(染五郎)に差し出します。なんとか窮地をしのぎ、安堵する源蔵夫婦のもとに、小太郎の母千代(孝太郎)が迎えにあらわれ、源蔵が斬りかかろうとするところに、最前の松王丸が姿をみせ・・・。
一年ぶりの歌舞伎でした。染五郎が大きく見えました。お見事!
両国(Air Studio)に劇団空感エンジンプロデュースの「SAKURA」を観に行く。
舞台は幕末の京都。架空の話だが、土佐を出た浪人・平野は開演隊に入ろうと画策している。もうひとり南部からの浪人・田上は新選組に加わろうと余念がない。しかし、ふたりは浪人に身。飲み屋でときどき合っているうちにしたしくなる。田上には妻がいて、親しくなった平野を家に呼び、隣の家にほころび始めた桜を見ながら、親しく酒を酌み交わす。ふたりの関係に目を光らす新選組の団の隊長。
しかし、悲劇が待っていた。
空感エンジンの若い人たちは、本当に芝居が好きなのだろう。入魂の演技だ。脚本も演出もよい。場面展開が見事で、見ていて飽きない。地下一階のアングラで、客席も70に満たない。が、芝居好きな人たちが熱心にみているなかに、身をおいているのは気持ちがよい。
【脚本】藤森一朗
【演出】栗本有美子
・岩崎さとし
・岩田エツコ
・工藤太輔
・結月えり
・前田虎樹郎 他
今年1月のミハレフスキー劇場のジゼル公演に続いて、再び「ジゼル」を観ました。今回はスターダンサーズ・バレエ団によるもので、踊り手はみな日本人です。
実は仕事で、開演後30分、遅刻しました。案内されたのは、一番後部席でした。踊り手の表情はみえませんが、全体を俯瞰でき、ここはここでなかなかよかってです。一幕目が終わると20分休憩なので、前から5番目の自分の席に移動。今度は踊り手の表情は見えるし、オケラボックスに近いので、演奏も迫力満点で楽しめました。
整然と表情豊かで、さすが名門です。
・ジゼル(林ゆりえ)⤴
・アルブレヒト(古瀬智弘)
・ヒラリオン(大野大輔)
・ウィルフリード(友杉洋之)
・ベルタ(周防サユル)
・クールランド(東秀昭)
・バチルド(天木真那美)
・狩猟長(鴻巣明史)
・ミルタ(佐藤万里絵)
・ドゥ・ウイリ(酒井優・角屋みづき)
もう公演は終了しましたが、「死の舞踏」を博品館劇場で観ました。
出演は仲代達矢さん、白石加代子さん、益岡徹さんの3人芝居です。
普通の舞台と違ったのは、3人が台本のようなものをもっていたことです。最初は舞台のなかの舞台の稽古風景かと思いましたが、そうではなく最後までみな台本をもっての演技でした。仲代さんがもう80歳を超え、セリフを覚えるのも大変になってきて、そうしたのでしょうか? 他の二人は仲代さんに合わせたのでしょうか? それがずっとわからなくて、雑念でした。
お芝居の内容は・・・
ひどく仲の悪い老夫婦。
夫は傍若無人、傲慢不遜で暴君です。(仲代達矢)
妻は毒舌家で悪態ばかり悪魔です。夫に「早く死ね」を連発します。(白石加代子)
その間に挟まれて、一見いい人、でもなんとも煮え切らない男(益岡徹)
三つ巴のセリフのバトルです。
⇦これから東京などを回るようです。
錦織健プロデュース・オペラVol.6
原作:クリストフ・フリードリヒ・ブレツナー作のオペラ本
≪ベルモンテとコンスタンツェ、あるいは後宮からの逃走≫
台本:ゴットリープ・シュテファニー
プロデューサー:錦織健/音楽監督:現田茂夫
ヴォルフガング・アマデウス・モーツアルト「後宮からの逃走」(栃木県総合文化センター)
標記のオペラを観ました。
おとぎ話のような話です。モーツアルトには生涯に多くのオペラ作品がありますが、そのうちの5大オペラといわれるもののなかで、初期に作られた作品です。
3幕ものです。トルコの太守セリムの宮殿に、航海中に拉致された3人の男と女。ひとりはスペイン貴族の娘コンスタンツェ、それに召使のペドリロと女中のブロンデ。
セリムはコンスタンツァに愛をもとめますが、彼女には故郷にベルモンテという恋人がいて、受け付けません。ペドリロの手紙で事態を知ったベルモンテは、コンスタンツェを救出に宮殿にやってきます。番人のオスミンは、ベルモンテの入城を邪魔します。
ペドリロはここで庭師として働いていました。ベルモンテはそのペドリロと再開します。二人は諮って、ベルモンテを建築家と偽り、太守セリムに紹介し、宮殿に入ろうとします。何かにつけて邪魔に入るオスミン。そのオスミンは、ペドリロの恋人ブロンテを狙っています。
ベルモンテ、コンスタンツェ、ペドリロ、ブロンテの4人は、夜中に脱走を図ります。しかし、運悪く、つかまってしまいます。激怒した太守セリムは4人を断罪しようとしますが・・・。
錦織さん、佐藤さんの美声に酔いしれました。市原さん、高柳さんも愛嬌があって、歌がうまいです。オスミンの志村さん、低音の魅力で、しびれました。
・コンスタンツェ 佐藤美枝子
・ベルモンテ 錦織健
・ブロンテ 市原愛
・ペドリロ 高柳圭
・オスミン 志村文彦
・太守セリム 池田直樹
管弦楽:東京ニューシティ管弦楽団
合唱:ラガッツィ