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日本共産党兵庫県委員会で働いています。

違憲の防衛大綱③ 長射程高速「専守」崩す 島嶼の態勢強化

2018-12-25 13:20:29 | 平和・憲法・歴史問題について
違憲の防衛大綱③ 長射程高速「専守」崩す 島嶼の態勢強化

安倍政権は中国の海洋進出を念頭に、尖閣諸島や沖縄県の先島諸島などの「島暎(とうしょ)防衛」態勢を強化しています。18日に閣議決定した「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」では、「侵攻部隊の脅威圏の外から、その接近・上陸を阻止する」として、ミサイル部隊の強化を盛り込みました。

ミサイルを配備
具体的には、宮古島、石垣島、奄美大島への配備を計画している「地対空誘導弾部隊」「地対艦誘導弾部隊」に加え、新編される「島嶼防衛用高速滑空弾部隊」などです。
さらに、「島嶼防衛用高速滑空弾」(139億円)、音速の5倍の「極超音速誘導弾」(58億円)の技術研究を開始。「相手方の脅威圏の外」から対処できるよう、最新鋭ステルス戦闘機F35Aに搭載できるスタンド・オフ・ミサイル(長距離巡航ミサイル)の取得(79億円)を決定しました。
共通するのは、自衛隊が現有する各種ミサイルと比べて大幅に高速化・長射程化していることです。こうした長距離巡航ミサイルは従来、「専守防衛」を超える敵基地攻撃能力に該当するとして、憲法上、保有を禁じられていました。
しかし、安倍晋三首相は「専守防衛は純粋に防衛戦略として考えれば大変厳しい」「相手の脅威の圏外から対応できるスタンド・オフ・ミサイルは必要不可欠だ」(2月14日、衆院予算委員会)と述べ「専守防衛」を公然と否定しています。
ただ、中国軍のミサイルも長射程化しており、「撃ち返される」事態は容易に想像できます。住民は「基地が配備されれば島中が標的になり、逃げ場はない」とミサイル基地に反対しています。



防衛省が「島嶼防衛」用に研究・開発を狙っているミサイル(2019年度防衛省予算案資料から)


南西諸島への配備が狙われている12式地対艦誘導弾(陸上自衛隊提供)

全滅覚悟の作戦
仮に敵の「接近・上陸」が阻止できなかったらどうするのか。新「大綱」は「あらゆる措置を講じて(島嶼を)奪回する」としています。そのため、自衛隊版“海兵隊”とされる「水陸機動団」に加え、本土から南西諸島へ部隊を運ぶ「海上輸送部隊」の創設を盛り込んでいます。
日本共産党の赤嶺政賢議員が11月29日の衆院安保委員会で暴露した防衛省の内部文書「機動展開構想概案」(2012年3月29日付)には、日米の「抑止力」が破綻した下で石垣島に敵が侵攻した場合、「どちらかの残存率が30%になるまで戦闘」という凄惨(せいさん)なシナリオが示されています。事実上、全滅覚悟です。
しかも、「住民保護」は「自衛隊が主担任ではない」としています。「大綱」にも、住民保護についていっさいの言及はありません。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2018年12月23日付掲載


「島嶼防衛」といえば、侵略を水際で防ぐイメージですが、実際には相手国に脅威を与え、逆に危なくなるのが実態。



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