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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

馬毛島新基地 今を追う③ 豊かな漁場・環境破壊

2023-12-29 07:03:11 | 平和・憲法・歴史問題について
馬毛島新基地 今を追う③ 豊かな漁場・環境破壊

馬毛島(まげしま)は種子島(たねがしま)から約10キロに位置し、南北4・5キロ、東西2・7キロ、周囲16・6キロで緑に覆われていました。西之表市民の心のふるさとです。小高い丘、岳之腰(越)=たけのこし=から4本の河川が海に流れ、そこに藻場ができ、豊かな漁場でした。

地元魚消える
西之表市の人々にとって馬毛島は兄弟島であり、慣れ親しんだ光景です。
自衛隊と米軍が共同で使用する新基地建設について、当初多くの住民が反対していました。
漁民は馬毛島の豊かな漁場であわびに似たナガラメ(トコブシ)などが捕れなくなると反対していましたが、国は懐柔し、防衛省は総額22億円の漁業補償を提示。漁師たちは漁に出るのをやめ、漁船を海上タクシーに変えて、1日8万円の日当を得ています。地元スーパーからは地元の魚が消えました。
基地建設の具体化とともに種子島の上空を米軍機やオスプレイが異音をたてて飛ぶようになりました。
「自然豊かな島、平和に慣れ親しんだ私たちにとって迷惑でしかない」と尾形公雄さん(72)は言います。



岳之腰のトーチカ(丘の左端の突起物)か解体撤去される前の姿(2023年9月24日撮影、尾形さん提供)


基地建設反対の思いを語る尾形さん

尾形さんは防衛省が示した馬毛島新基地建設関わる環境アセスメントに意見を提出。防衛省が提示する報告書は、基地建設の影響を小さく評価、工事が進めば影響は大きくなることは目に見えていると指摘します。
水産行政で人工魚礁により漁場を造成していますが、馬毛島にとって代わる漁場を人工的に造成しようとするとどれだけの費用がかかるのか。今ある自然を残し、守る姿勢は見られません。
「馬毛島には、環境省が絶滅の恐れのある地域個体群に指定するマゲシカなどの動植物が生息していますが、餌場がなくなり、水が汚染されれば、マゲシカはいなくなります。マゲシカが生息し続けるために環境を維持しなければならないのに、それらの危倶を無視し、“今後の調査にまかせる”とする防衛省、そしてその計画に意見書で異を唱えない環境省の態度は許されない」と尾形さんは批判します。
馬毛島の環境への影響を評価しているのは、辺野古新基地建設の評価をした同じ企業だといいます。“基地建設ありき”で、予算は、辺野古新基地建設予算から流用しています。



作業船が接岸する馬毛島

トーチカ撤去
馬毛島の岳之腰には旧日本軍の陣地、戦争遺構の「トーチカ」がありましたが、「残してほしい」という市民の思いを無視して撤去されました。尾形さんは「平和教育をすすめるうえでも重要なトーチカを解体・撤去するのはおかしい。日本の防衛を考えるうえで、戦争の悲惨さや愚かさを伝えるのも防衛省の役割なのではないか」と指摘します。
基地が建設されれば、タッチアンドゴーが繰り返され、低空飛行をする戦闘機のごう音被害と睡眠不足が住民を襲うことになります。
「文化や自然に親しみ、のんびりすごしたかったのに、基地建設の話が持ち上がってから反対運動をしなければならなくなりました。どうすれば建設を止められるのか悩む日々です。この計画はすでに私の健康を害しています」(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年12月27日付掲載


基地建設の具体化とともに種子島の上空を米軍機やオスプレイが異音をたてて飛ぶようになりました。
「自然豊かな島、平和に慣れ親しんだ私たちにとって迷惑でしかない」と尾形公雄さん(72)は言います。
馬毛島の環境への影響を評価しているのは、辺野古新基地建設の評価をした同じ企業。“基地建設ありき”で、予算は、辺野古新基地建設予算から流用。
基地が建設されれば、タッチアンドゴーが繰り返され、低空飛行をする戦闘機のごう音被害と睡眠不足が住民を襲うことに。

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