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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

立憲主義考⑧ 「憲法守る」市民の力 民主主義と結んで力を発揮

2016-01-21 13:24:26 | 平和・憲法・歴史問題について
立憲主義考⑧ 「憲法守る」市民の力 民主主義と結んで力を発揮

「民主主義ってナンダ」「これだ!」
戦争法に反対する運動で、「立憲主義」と双子のようにたたかいを引っ張ったスローガンは「民主主義」です。
「勝手に決めるな!」「言うこと聞かせる番だ、俺たちが!」。SEALDs=シールズ(自由と民主主義のための学生緊急行動)をはじめとする市民のコールは、戦争法を「本当に止める」「憲法を守る」という決意とともに、その力は自分たちにあるという民主主義への確信にあふれています。
民主主義は単なる「制度」ではなく、一人ひとりが主権者として自覚し声をあげることです。



「民主主義ってナンダ」と叫ぶ人たち=昨年8月30日、国会正門前

■空前の運動
権力の暴走から個人の自由を守る知恵としての立憲主義も、市民のたたかい、民主主義の発展が支えるー。空前の国民運動はそれを体現しました。
自民党改憲案が削除を企てる憲法97条は、「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」「過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託された」と規定しています(連載第1回、9日付)。憲法12条は、基本的人権について「国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」としています。
権力者が憲法と人権を踏みにじるとき、国民の抵抗権とその責務を定めています。「権利のための闘争」が自由の土台です。
絶対王権を倒して成立した近代憲法と立憲主義の基本は、個人の尊厳・人権尊重と権力分立、国民主権とされます。立憲主義の中に、民主主義(国民主権)が組み込まれています。「個人の尊厳」を重視すれば、政治のあり方を決める最終的な権威と力は国民、個人にあり、それが権力を監視、コントロールするのです。選挙制度などシステム改革を含め民主主義を実質化することが、人権と立憲主義の保障です。立憲主義と民主主義は不可分です。

■歩を進めて
他方、立憲主義は、民主主義との緊張関係をはらみます。議会の多数派も、国民の多数派も否定できない権利やルールを定めたのが立憲主義です(連載第2回、10日付)。ナチスドイツや戦前の日本などで、権力者が国民の思想統制や扇動に「成功」し、「国民の喝采」(カール・シュミット)のもとに自由と平和が圧殺された経験を踏まえ、「大衆民主主義」への警戒感があります。
いまは、権力者の暴走に市民が怒りをもって立ち上がり、憲法を守るため、民主と立憲が結んで力を発揮する歴史的局面です。
戦争法廃止を求める2000万署名、宣伝・集会・デモ、学習会、街角スタンディング、「アベ政治を許さない」のカードを身につける行動など、市民の怒りは全国津々浦々でつながり続けています。多数党に有利な選挙制度の性質も理解して、市民は大義に基づく野党共闘を求め、安倍政権を倒す新しい「市民革命」の歩を進めています。
(おわり)(この連載は中祖寅一が担当しました)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2016年1月17日付掲載


かつてのドイツは、ナチスが国民を扇動する中で選挙で正当に選ばれた。その結果、独裁政治が始まった。
今回の戦争法反対の運動は、シールズや立憲デモクラシーの会、ママの会などが扇動しているんじゃなく、一人ひとりの国民が自分の頭で考えて立ち上がっている。

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