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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

2025年度予算 概算要求の焦点⑥ 文教 教職員定数5381人の大幅減

2024-10-04 07:10:38 | 予算・税金・消費税・社会保障など
2025年度予算 概算要求の焦点⑥ 文教 教職員定数5381人の大幅減

文部科学省の2025年度概算要求は5兆9530億円、そのうち文教関係予算は4兆3883億円です。加えて金額を明示しない事項要求も出しています。文教関係予算は、防衛省の概算要求8兆5389億円の半分程度です。
公立小中学校の教職員の給与に充てられる義務教育費国庫負担金は1兆5807億円(24年度当初予算比180億円増)です。小学6年生での35人学級化の実現に3086人、小学校の教科担任制の推進に2160人など合計7653人の教職員定数の改善を要求しています。
一方、少子化に伴う自然減で5638人減、学校統廃合で1760人減、定年引き上げに伴う24年度限りの特例定員4331人の廃止など、合計1万3034人の定数減を見込んでいます。差し引きでは5381人の大幅削減です。


2025年席概篁要求の教職員定数の増減
教職員定数増の合計7653人
小学6年生の35人学級化3086人
通級や日本語指導等のための基礎定数化551人
小学校の教科担任制の推進2160人
生徒指導担当教師の全中学校への配置1380人
多様化・複雑化する課題への対応476人


教職員定数減の合計13034人
教職員の自然減7398人
 少子化に伴う自然減5638人
学校統廃合に伴う定数減1760人
35人学級化に伴う加配定数の振り替え1305人
定年引き上げに伴う特例定員の廃止4331人
文科省への聞き取りをもとに作成


長時間労働悪化
教員の「働き方改革」に関する8月の中央教育審議会の答申に基づき、「教師の処遇改善」として232億円を求めています。教員に残業代を支給しない代わりに月給の4%を支給する教職調整額を13%に引き上げるほか、学級担任に月額3000円の手当を新設し、管理職手当も月額5000~1万円引き上げる方針です(実施は26年1月から)。26年度には中堅教員を対象とした「新たな職」を創設する方向性も示しました。
わずかな教職調整額の引き上げで残業代不支給制度が温存されれば、社会問題となっている教員の異常な長時間労働はいっそう悪化する恐れがあります。新たな手当や職の創設にも、「目の前の向き合うべき子どもたちの実態よりも、いかに自らへの評価を高められるかを重要視する教職員を生み出してしまう」(全日本教職員組合)との批判が上がっています。
教職員定数を厳しく抑制しながら、新規事業として「GIGAスクール構想支援体制整備事業等」に88億円、同じく「高等学校DX加速化推進事業」に107億円など、デジタル関連施策には巨額の予算を振り向けようとしています。

学費値上げ加速
国立大学法人運営費交付金は1兆1145億円です。361億円の増額要求ですが、増えているのは文科省が重視する大学の機能強化などに関する予算枠で、人件費などに充てられる基幹運営費交付金は横ばいです。24年度予算をめぐっては概算段階の305億円の増額要求が予算折衝で23年度と同額とされた経過があり、予断は許しません。
国立大学の04年の法人化以降、運営費交付金は1600億円以上も削られました。さらに消費税増税や急激な物価上昇が追い打ちをかけ、国立大学協会は6月に「もう限界です」との声明を発表しています。東京大学をはじめ国立大学の学費値上げの原因にもなっています。
私立大学等経常費補助は3091億円(113億円増)です。私大の経常経費に占める私学助成の割合を50%にするとの国会決議に反し、助成割合は近年1割程度に落ち込んでいます。急激な物価上昇のもと、私大でも学費値上げの動きが加速しかねません。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年10月3日付掲載


わずかな教職調整額の引き上げで残業代不支給制度が温存されれば、社会問題となっている教員の異常な長時間労働はいっそう悪化する恐れが。新たな手当や職の創設にも、「目の前の向き合うべき子どもたちの実態よりも、いかに自らへの評価を高められるかを重要視する教職員を生み出してしまう」(全日本教職員組合)との批判が。
国立大学の04年の法人化以降、運営費交付金は1600億円以上も削られました。さらに消費税増税や急激な物価上昇が追い打ちをかけ、国立大学協会は6月に「もう限界です」との声明を発表。東京大学をはじめ国立大学の学費値上げの原因にも。
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