きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

GAFA支配② 行動操るスマホゲーム

2021-12-03 07:10:44 | 経済・産業・中小企業対策など
GAFA支配② 行動操るスマホゲーム
インターネットでどんな情報を閲覧したか。誰とどんな通信をしたか。何を買ったか…。スマートフォン(スマホ)を使う人は、意識していなくても、膨大な個人情報を日々新たに生み出しています。
そうした個人情報の一つに位置情報があります。スマホの位置情報は全地球測位システム(GPS)などによって把握されます。IT(情報技術)企業はスマホ利用者の位置情報を収集、分析、活用して収益を得ます。スマホゲームの中にも、利用者の位置情報を集め、利用者の行動を操る道具とされているものがあります。

誘導される現実
愛くるしいピカチュウをはじめ、不思議な生き物が登場するゲームの「ポケットモンスター(ポケモン)」。そのポケモンから派生した「ポケモンGO」は2016年の発表以来、150以上の国と地域で展開され、ダウンロード数が10億を超えるほどの大人気となっています。
ポケモンはもともと日本の任天堂が生み出したゲームでした。しかしポケモンGOは、グーグルから独立した「ナイアンティック社(ナ社)」が開発したスマホゲームです。
ポケモンGOの特徴は、スマホの位置情報を活用することにより、現実世界そのものを舞台としてプレーする点にあります。実際の街を歩いてポケモンを捕まえたり、バトルさせたりします。
ポケモンGOを楽しむためには、現実世界に設定されたポケストップに行かなければなりません。ポケストップとは、ポケモンを捕まえたり、成長させるためのさまざまなアイテムが出てくる場所のことです。ポケストップの多くは公園や駅周辺にありますが、ナ社とスポンサー契約を結んだ企業の店舗もポケストップに設定されます。
このため、ポケモンGOをプレーしながら街を歩くと、必然的にコンビニやファストフード店に近寄ることになります。それらの企業の店舗がポケストップに設定されているからです。その店で思わず、飲食料などの現実の商品を買う人も出てくるでしょう。



ポケモンGOを開発した、ナイアンティック社のジョン・ハンケ最高経営責任者(ロイター)

天然資源の人間
ナ社はポケストップの位置をコントロールすることで、プレーヤーの群れを操り、スポンサーが展開する店舗に導いています。ポケモンGOがスポンサー企業の集客と売り上げに貢献する仕組みになっているのです。
ポケモンGOの真の顧客は、無料でゲームを楽しむプレーヤーではなく、商品をより多く売らんとする企業です。ナ社は16年以来、マクドナルドやセブンイレブン、ファミリーマートなどと契約を結んできました。ナ社はこれらの企業が支払うスポンサー料から収益をあげています。
ポケモンGOの恐ろしい真実は、世界で数億人が遊ぶゲームを、「監視資本主義」のための道具に変換したことです。
ポケモンGOをプレーするためには、スマホの位置情報をナ社に提供しなければなりません。ナ社はポケモンGOで遊ぶプレーヤーの動きから、消費者の行動に関する多くの情報を得ます。いつ、どこへ、どのようにして行ったか。そこにどのくらいの時間いたか。他には誰がいたか。
ナ社は、ポケモンGOから集めた人々の行動情報をすべて集積、分析して、スポンサー企業を増やすなど、さらなる収益実現のために生かしています。
ナ社にとってプレーヤーは、行動情報を供給し続ける「人間という天然資源」です。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年12月1日付掲載


たかがゲームと思いきや、現実社会と結びつき、営利企業の商品を購入意欲を促す。
無意識のうちに操られているのです。
ポケモンGOを開発した、ナイアンティック社にとってプレーヤーは、行動情報を供給し続ける「人間という天然資源」。

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