AIロボットと人間① 「大国」の座奪われた日本

人間と同じように文章を書いたり、絵を描いたりすることができる「生成AI」の応用が進んでいます。人間のように身体をもったAIロボットも社会のさまざまな分野で使われはじめています。AIロボットの特徴や可能性、その限界について経済研究者の友寄英隆さんが探ります。(寄稿)
経済研究者 友寄英隆さん
東京都港区お台場のビッグサイト(国際展示会場)では、2年に1度程度でロボット展が開かれています。1974年の第1回(当時は東京・晴海の国際見本市会場)から25回目を迎えています。

AI・業務自動化展(筆者提供)

ロボテックス展
最新鋭を展示
ロボット展では、国内外から最新鋭のロボットが展示され、AIやロボット部品などが展示されるので、いろいろと勉強になります。私は取材のために最近は、できるだけ見学に出かけるようにしています。
2025年1月には同様の「ロボット開発・活用展」があり、同時に開催された五つの展示会のうちの「「Factory Innovation(工場自動化)と銘打った展示場の一角で「スマート工場EXPO(展示会)」と共催で270社が出展していました。五つの展示会の出展社数は4273社にのぼるので、1日かかってもとてもゆっくりとは見て回れません。しかし、気になるブース(出展区画)では、いろいろと説明を聞き、最新技術についての質問をしながら見学しました。
前回(23年)のロボット展は、「生成AI」が流行語にもなった年だったので、「ロボットがつなぐ人に優しい社会」をテーマに人とロボットが共存・共働する社会を目指して開催され、人気のブースの周辺は身動きができないほどの大盛況でした。今回も、AI搭載ロボットが目立ちました。
ちなみに23年には、ロボット展とは別にAI(人工知能)のEXPO(展示会)も開かれ、AIによる業務自動化のコーナーが大大盛況でした。
激化する競争
ところで、今回の展示会では国際色がとても薄いことに気がつきました。
私は6年前の第23回国際ロボット展(19年12月)も見学したことがありますが、当時の資料を見ると、17年の出展社数は612社・団体、出展小間数は2775小間の過去最大規模となり、海外からの出展社も14カ国、88社・団体に上るとあります。また、総来場者数の13万人のうち、82カ国から約1万人の海外来場 者が訪れる“世界最大規模のロボット専門展”として注目を集めていると記録されています。こうした意味で名実ともに「国際ロボット展」だったわけです。
日本のロボット産業は1980年代から90年代には世界市場で圧倒的シェアを誇り、「ロボット大国」の名をほしいままにしていました。しかし近年は、米国、中国、ドイツ、韓国、スイスなどの台頭で、世界シェアを大きく低下させています。
しかし、日本は、医療・介護ロボットや産業ロボットの分野では、依然として世界の40%程度を占めており、ロボティクス(ロボット工学)の技術では世界をリードしています。とはいえ、最新のAI技術との統合によるAIロボットでは、中国や米国に大きく後れを取り、「ロボット大国」の座を奪われています。
(つづく)(5回連載です)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2025年6月12日付掲載
ロボット展では、国内外から最新鋭のロボットが展示され、AIやロボット部品などが展示されるので、いろいろと勉強になります。私は取材のために最近は、できるだけ見学に出かけるようにしています。
2025年1月には同様の「ロボット開発・活用展」があり、同時に開催された五つの展示会のうちの「「Factory Innovation(工場自動化)と銘打った展示場の一角で「スマート工場EXPO(展示会)」と共催で270社が出展していました。五つの展示会の出展社数は4273社にのぼるので、1日かかってもとてもゆっくりとは見て回れません。しかし、気になるブース(出展区画)では、いろいろと説明を聞き、最新技術についての質問をしながら見学しました。

人間と同じように文章を書いたり、絵を描いたりすることができる「生成AI」の応用が進んでいます。人間のように身体をもったAIロボットも社会のさまざまな分野で使われはじめています。AIロボットの特徴や可能性、その限界について経済研究者の友寄英隆さんが探ります。(寄稿)
経済研究者 友寄英隆さん
東京都港区お台場のビッグサイト(国際展示会場)では、2年に1度程度でロボット展が開かれています。1974年の第1回(当時は東京・晴海の国際見本市会場)から25回目を迎えています。

AI・業務自動化展(筆者提供)

ロボテックス展
最新鋭を展示
ロボット展では、国内外から最新鋭のロボットが展示され、AIやロボット部品などが展示されるので、いろいろと勉強になります。私は取材のために最近は、できるだけ見学に出かけるようにしています。
2025年1月には同様の「ロボット開発・活用展」があり、同時に開催された五つの展示会のうちの「「Factory Innovation(工場自動化)と銘打った展示場の一角で「スマート工場EXPO(展示会)」と共催で270社が出展していました。五つの展示会の出展社数は4273社にのぼるので、1日かかってもとてもゆっくりとは見て回れません。しかし、気になるブース(出展区画)では、いろいろと説明を聞き、最新技術についての質問をしながら見学しました。
前回(23年)のロボット展は、「生成AI」が流行語にもなった年だったので、「ロボットがつなぐ人に優しい社会」をテーマに人とロボットが共存・共働する社会を目指して開催され、人気のブースの周辺は身動きができないほどの大盛況でした。今回も、AI搭載ロボットが目立ちました。
ちなみに23年には、ロボット展とは別にAI(人工知能)のEXPO(展示会)も開かれ、AIによる業務自動化のコーナーが大大盛況でした。
激化する競争
ところで、今回の展示会では国際色がとても薄いことに気がつきました。
私は6年前の第23回国際ロボット展(19年12月)も見学したことがありますが、当時の資料を見ると、17年の出展社数は612社・団体、出展小間数は2775小間の過去最大規模となり、海外からの出展社も14カ国、88社・団体に上るとあります。また、総来場者数の13万人のうち、82カ国から約1万人の海外来場 者が訪れる“世界最大規模のロボット専門展”として注目を集めていると記録されています。こうした意味で名実ともに「国際ロボット展」だったわけです。
日本のロボット産業は1980年代から90年代には世界市場で圧倒的シェアを誇り、「ロボット大国」の名をほしいままにしていました。しかし近年は、米国、中国、ドイツ、韓国、スイスなどの台頭で、世界シェアを大きく低下させています。
しかし、日本は、医療・介護ロボットや産業ロボットの分野では、依然として世界の40%程度を占めており、ロボティクス(ロボット工学)の技術では世界をリードしています。とはいえ、最新のAI技術との統合によるAIロボットでは、中国や米国に大きく後れを取り、「ロボット大国」の座を奪われています。
(つづく)(5回連載です)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2025年6月12日付掲載
ロボット展では、国内外から最新鋭のロボットが展示され、AIやロボット部品などが展示されるので、いろいろと勉強になります。私は取材のために最近は、できるだけ見学に出かけるようにしています。
2025年1月には同様の「ロボット開発・活用展」があり、同時に開催された五つの展示会のうちの「「Factory Innovation(工場自動化)と銘打った展示場の一角で「スマート工場EXPO(展示会)」と共催で270社が出展していました。五つの展示会の出展社数は4273社にのぼるので、1日かかってもとてもゆっくりとは見て回れません。しかし、気になるブース(出展区画)では、いろいろと説明を聞き、最新技術についての質問をしながら見学しました。
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