きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

揺らぐ地域スポーツ② 使いづらい施設 利用者不在で収益第一

2019-04-13 07:42:37 | スポーツ・運動について
揺らぐ地域スポーツ② 使いづらい施設 利用者不在で収益第一
各地に新しくできた公共スポーツ施設が「使いづらい」と不評です。
2月中旬、東京都調布市にある武蔵野の森総合スポーツプラザの屋内プールで開かれた竸技会。プールサイドにストップウオッチを持った係員が並び、選手のタイムを計測していました。
同プラザは17年11月、メインアリーナ、サブアリーナもある総合施設です。プールは国内公認の50メートルで、可動壁によって25メートルとしても使用可能です。しかし、タッチ板などタイムを計測し表示する装置はありません。東京水泳協会は自前の機材を持ち込んで大会を行っています。
大会を運営した新日本スポーツ連盟東京水泳協議会の宮久保加乃子さんは、「観客席が少なく、プールサイドからも遠い。いい施設だけど大会用ではない」と言います。
東京五輪・パラリンピックでバドミントンなどの競技会場になる同プラザのメインアリーナも不評です。スポーツ連盟全国卓球協議会事務局長の岩本英(いわもと・ひで)さんは「照明の向きによってまぶしい所がある。シャワールームも少ない。スポーツをするために造っていない」と語ります。



武蔵野の森総合スポーツプラザのプールで手動計測する係員

市民から不満
17年10月に開業した津市の屋内総合スポーツ施設「サオリーナ」は、床の白さが“障害”になっています。スポーツ連盟愛知県卓球協議会理事長の鈴木義弘さんは「卓球の球が一瞬消える。評判はよくない」といいます。
プールは25メートル。50メートルの市民プールを閉鎖したため大会が開けなくなりました。更衣室が少なく夏は入場制限し、市民から不満が寄せられています。日本共産党の竹下幸智子・津市議は、「いろいろな競技ができるというが必要なスペースが削られ中途半端になっている」とみています。
なぜ、使いづらい施設ができるのか。理由の一つに施設に収益性を求めることがあります。
都は武蔵野の森の基本計画で、「『戦略的』かつ『赤字を出さない運営』」を基本に据えています。多目的化してコンサートや興行イベントを誘致するなど「収益力強化」を求めています。サオリーナも同様です。

福祉増進こそ
国士館大学の客員教授でスポーツ施設の運営に詳しい鈴木知幸さんは「スポーツ施設は元々もうからない」といいます。支出と収入の割合を示す収支比率が「最優良といわれる東京体育館でも約70%。地方なら20~30%」と鈴木さん。プールも、「上下水道料が家庭用と同じ。経営が成り立たず、民間(事業者)はやりたがらない」。
そもそも、公共施設は住民福祉の増進に使うのが目的です。住民のスポーツ振興が大前提で、収益性第一の姿勢は本末転倒です。
愛知卓球協の鈴木義弘さんは強調します。「行政は住民の声を聞くことなく、施設整備を事業者に丸投げしてしまう。運動してスポーツ愛好者の声を届けていくことが重要です」(青山俊明)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2019年3月31日付掲載


スポーツ施設に収益?。もともと、市民の健康維持や体力向上、交流の場としてのスポーツ施設。興行イベントにも使える施設っていうのはどうかと思います。
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