きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

小規模映画館を救って プロジェクトが要望書公表

2020-04-08 13:02:09 | 映画について
小規模映画館を救って プロジェクトが要望書公表
新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の要請を受けて映画館の上映自粛が広がるなか6日、存続の危機にさらされるミニシアター(小規模映画館)を救おうと「#Save The Cinema ミニシアターを救え!」プロジェクトが始まり、政府へ緊急支援を求める要望書が公表されました。
要望書では、自粛によりミニシアターが「観客80%減や観客ゼロでの上映」に及ぶ大打撃を受けている窮状を訴え、経済的な補償もないまま「休館」が6月まで続けば、「夏を待たずに閉館する映画館が続出する」と表明。自粛要請・外出自粛要請、時短営業や客席数を減らす拡大防止対策によって生じた観客数の大幅な減少による損失の補てんと、終息後に集客を回復させるためのイベント開催など広報活動の充実化に対する支援を求めています。
同時発信のインターネット署名サイトに、7日の午後4時半現在で2万2000人弱が賛同。プロジェクトの呼びかけ人として映画監督の森達也、是枝裕和、俳優の柄本明、井浦新ら各氏が、賛同者にはアップリンクやユーロスペース、第七藝術劇場といった劇場関係者が名を連ねています。

支援しないと文化は滅びる
呼びかけ人の森達也監督の話



フランスやドイツでは、手厚い補助金や支援を実施している。文化は支援しないと滅びてしまう。
そもそも存亡の危機にあったミニシアター。「映画が好き」という思いで、自らの生活を犠牲にするような人々に支えられてきた産業なだけに、いったんリセットされたら復活できないだろうという危機感がある。
大資本がバックにあるシネコンだけが残されれば、商業主義的な娯楽映画ばかりになってしまう。小劇場やミニシアターが絶えることは、ひとつの文化が終焉することを意味する。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2020年4月8日付掲載


神戸でも、シネ・リーブル神戸やアートビレッジセンターが休館になっています。
存続のために、なんとしても財政的救援が必要です。

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北原白秋と山田耕筰の友情物語 映画「この道」 自由に表現できない時代への危惧 監督・佐々部清さん

2019-01-13 13:36:46 | 映画について
北原白秋と山田耕筰の友情物語 映画「この道」 自由に表現できない時代への危惧 監督・佐々部清さん

童謡が生まれて100年。佐々部清監督が新作映画「この道」を撮りました。数々の名曲を生んだ詩人・北原白秋と音楽家・山田耕筰の友情物語です。フィクションを交えながら「偉人伝ではない音楽と詩と人間のドラマ」に仕上げました。
板倉三枝記者



撮影・橋爪拓治記者

白秋役は大森南朋さん。耕筰役はEXILEのAKIRAさん。「ハチャメチャな男とまっすぐな男の対比でやれば面白いと思いました」と佐々部さんは語ります。
時代は明治末期から昭和初期。白秋は才能に恵まれながらも、自由奔放で恋多い生活を送っていました。そこに、『赤い鳥』を創刊(1918年)した鈴木三重吉から童謡を書くことを勧められます。三重吉の仲介で、西洋音楽を学んだ耕筰と出会った白秋は、関東大震災を機に、二人三脚で「からたちの花」や「この道」などをつくります。
しかし日本は戦争へと大きくかじを切り、2人は時流に合わせた音楽づくりを余儀なくされます。



数々の名曲を生んだ(左から)北原白秋(大森南朋)と山田耕筰(AKIRA)
1月11日から全国で公開。105分

大戦に向かう中、時流に合わせた音楽余儀なくされる
「2人が生きたのは大きな震災があり、日本が大戦に向かう時代でした。この数年、同じような状況を迎えている気がします」
印象的な場面があります。軍への協力を拒む白秋に家族が節を曲げるよう詰め寄るのです。一方、反戦派から戦争擁護派に転じた与謝野晶子でさえ「日本はどこに向かおうとしているのか」と治安維持法への懸念を口にします。国策協力を主導した耕筰が、軍服姿で白秋に「自由に書ける時が来たらまた一緒に歌をつくろう」と話す場面は、現代への警告のようにも思えます。
「6年前、秘密保護法案に日本映画監督協会が反対声明をあげました。自由に表現できない時代がくるのではないかと。
万人がクスクス笑ってポロっと泣いてくれる映画の監督でありつつ、そういう危惧も伝えたい。

戦争伝える
自分の映画で心がけていることがあります。「映画は何を撮るかではなく、何のために撮るかだ」。そう教えてくれたのは高倉健さん。高倉さん主演の特攻映画「ホタル」(降旗康男監督)の助監督をしていた時でした。
その後、山田洋次さんの勧めで人間魚雷を扱った「出口のない海」(脚本・山田洋次)を監督。以来、「夕凪の街 桜の国」など、映画で戦争の悲劇を伝えることも大切なことだと思っています。
「僕らは戦争を体験していないけれど、戦争を知らない世代ではない。
僕には山田さんや降旗さん、高倉健さんから受け継いだバトンを若い助監督たちにつなぐ責任がある。この映画はエンターテインメントですが、どこかに自分の宿題を入れたかった。脚本家の坂口理子さんに相談しながら、僕の味付けでまぶしてもらいました」

「しんぶん赤旗」日曜版 2019年1月13日付掲載


戦後、白秋没後10周年の記念コンサートで山田耕筰が「この道」の指揮。
取材する記者に、最初は白秋の事を語ることを固辞していたが…。
語り終わった最後に「一緒に歌を作ろうと約束したのに先に死んでしまいやがって」と泣き崩れる場面。


戦争と表現の自由が密接にかかわっていることが、歯に衣を着せずにしっかりと語られています。
良い映画です。
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惜別・三國連太郎さん~ピッタリ画面に収まる俳優  神山征二郎

2013-05-02 22:10:37 | 映画について
惜別・三國連太郎さん~ピッタリ画面に収まる俳優  神山征二郎

親しくて大事な人との死別が相次いでいる。昨年の5月、師の新藤兼人監督、一昨年は実姉と実弟、拙作の出演者で「さくら」「草の乱」の田中好子さん、「月光の夏」「郡上一揆」の田中実君、「ふるさと」「ハチ公物語」などの長門裕之さんが亡くなってしまった。
映画にとって良い俳優は良いシナリオと同じ程度に大事なものなのでその都度失ったものの大きさを痛感せずにはおれなかった。




ちょうど満開の桜が競い咲く信州長和町の有坂という旧い村の道を散策している時、胸ポケットの携帯電話が鳴った。地元紙の信濃毎日新聞の知り合いの記者からで、三國連太郎さんの卦報だった。
かねて体調が思わしくないとは聞いていたし高齢、心の準備がないわけではなかったが衝撃だった。散歩のあと町営の温泉施設で温まるつもりだったが、とりやめて山荘に戻った。
自身の作で三國さんと最初に相まみえたのは1995年の「三たびの海峡」だった。日中十五年戦争から太平洋戦争へと戦争に明け暮れていた時代、多くの若者を戦場に送り出し石炭の増産など労働力不足を補うために植民地支配をしていた韓半島から、多数の労働力を日本本土に送り込んだ強制連行の実態とそこでくりひろげられた両国の人間のドラマだった。
韓半島に対する加害に対して心から申し訳ないことだったと私も三國さんも共通の認識に立っていた。
毎朝三國さんはその日の台詞に赤鉛筆で直しや加筆をして現れる。一字一句を間違いなきようにという気迫である。私も同じ気迫でそれに応じ、「ではこれで」と納得しあって撮影に臨んだ。キャメラを構えて、画面サイズを決めて俳優の立ち位置を決める。ここまでが演出家の私の仕事。そこでどう演じるかは三國さんの仕事。不思議なもので演技に力不足や理解不足があると画面が出来上がらない。画面が空疎になってしまう。そんな時演出家は七転八倒して演技の中味を充実させなくてはならない。
時には手とり足とりの教示を余儀なくされる。が、三國さんは立っても座っても、歩いても、寝転んでもピッタリと画面の中に収まってしまう。そういう俳優氏は他にも多数存在するけれど、三國連太郎という俳優はそれが抜群だった。死の場面では、本当に死んでしまったように見えてしまう。心から敬愛していました。本当にありがとう。
(こうやま・せいじろう 映画監督)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年4月30日付掲載


映画「釣りバカ日誌」のスーさん役にピッタリだった三國さん。映画「男はつらいよ」の渥美清さんは若くして亡くなったが、三國さんの場合は一定の高齢なので仕方ない感じがするが、それにしても惜しい人を亡くしてしまったものだ。
「人間国宝」ではないが、美術界や仏師などでも高齢でバリバリで頑張っておられる方々もたくさんおられる。
後を継ぐ映画界の俳優さんたちに頑張ってもらいたい。
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大河ドラマのヒロイン 「新島八重」を読む

2013-01-15 21:48:48 | 映画について
大河ドラマのヒロイン 「新島八重」を読む
“武勇伝”・同志社大・撮影裏話…

「朝敵」として官軍に包囲され多数の犠牲者を出して落城した会津・鶴ヶ城の物語(1868年)は、幕末最大の悲劇として語り継がれてきたが、龍馬・高杉といった個人の名前で記憶される場面はほとんどなかった。そんななか突然表舞台に躍り出たのが、今年の大河ドラマのヒロイン“会津の巴御前、幕末のジャンヌ・ダルク”こと新島(山本)八重である。書店の書棚を埋める「大河本」から数冊ご紹介―。




回顧談の全文
紋付き袴に白足袋、腰に大小、胸に懐剣、肩には7連発の最新型スペンサー銃というのが鶴ヶ城に籠城した八重(当時24歳)のいでたちであった(好川之範著『幕末のジャンヌ・ダルク新島八重』新人物文庫・714円)。藩の砲術師範の家に生まれたとはいえ薙刀(なぎなた)ではなくライフルを手に夜襲にまで参加した彼女の奮戦ぶりに、すべての本が多くのページを割いている。
この“武勇伝”の種本はどうやらのちに八重自身が語った回顧談だったらしく、吉海直人著『新島八重 愛と闘いの生涯』(角川選書・1600円)に全文が載っている。
星亮一著『新島八重と戊辰戦争』(ベスト新書・781円)は、タイトルどおり籠城戦にしぼり白虎隊の自刃をはじめとする会津戦争の有名なエピソードが満載。福本武久著『新島八重 おんなの戦い』(角川oneテーマ21・743円)は、“女こども”とひとくくりにされ、女性が自立できなかった時代を颯爽(さっそう)と生きた彼女の姿を客観的に、しかし情感を込めて描く

兄と夫婦像も
ドラマでは八重と並んで重要な主人公となる兄の覚馬―薩摩藩に捕らえられるが国家のあり方に関する23項目の建白書を新政府に提出する。鈴木由紀子著『ラストサムライ 山本覚馬』(NHK出版・1500円)は、この盲目の先覚者の生涯を余さず伝える。
もう一人の主役が新島嚢―国禁を破ってアメリカに密航し、32歳で帰国後八重と結婚して京都に同志社大学を創立する。夫婦であり同志でもあった二人については、福本武久著『新島嚢と八重―同志の絆』(原書房・1600円)が詳しい。

東北にエール
そして最後はNHK定番の『八重の桜・前編』(NHK出版・1048円)―グラビアをたっぷり使って物語のあらすじから撮影の裏話までドラマをまるごと楽しめる大判のムックである。一読すれば番組スタッフが八重の凛とした人生をドラマにすることで、震災と原発事故で辛酸をなめた東北・福島を勇気づけたいと願っている気持ちが伝わってくる。
「『かわいそうな会津』ではなく、どんな障壁も強く、清々しい結束力で乗り越えようとする人々、それが、今回のドラマで私が描こうとしている会津の姿です」(脚本家・山本むつみ)―期待したい。
諌山 修(いさやま・おさむ ジャーナリスト)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2013年1月13日付掲載


1月6日放送の初回「ならぬことはならぬ」から観ています。八重は銃に興味を持ち、蔵から勝手に本を持ち出して書き写します。しかし「女は銃を持ってはならぬと」教えられて育つ。
第2回は1月13日放送。「やむにやまれぬ心」。大人になった八重。父に銃術を教えてくれと懇願します。「子どものじゃれ事」と思ってやり過ごしていたことがここまで思い入れていたとはと折れて、八重に銃術を教えることに…
第3話「蹴散らして前へ」。いよいよ面白くなってきます。


「しんぶん赤旗」の書評を見て、関連図書を購入することにしました。
好川之範著『幕末のジャンヌ・ダルク新島八重』(新人物文庫・714円)と福本武久著『新島嚢と八重―同志の絆』(原書房・1600円)を選びました。

ネット書店で注文。送られてくるのが楽しみです。
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マイレージ・マイライフ 働きすぎは良くないですよ! 自分の人生は自分のもののはず・・・

2010-03-12 23:34:35 | 映画について
3月20日公開の映画、「マイレージ・マイライフ」がお勧めです。
働きすぎは良くないですよ! あなたの人生のスーツケース、詰め込みすぎていませんか?

 労働者に解雇を言い渡すプロ、ライアン(ジョージ・クルー二)。全米の企業を飛び回り、年間322日は出張という生活です。人生の荷物は少ない方がいいと親密な人闇関係を避けている彼の生きがいは、飛行距離1000万マイルの達成。ところが、新入社員のナタリー(アナ・ケンドリック)が、解雇通告はネットで行い、出張は廃止するべきだと提案します。目標達成が危うくなったライアンは、相手と実際に対面しなければリストラ宣告はできないと抗議。ライアンはナタリーを連れて、仕事の現場を見せていきます。
 リストラされた人たちの苦悩を目の当たりにしながら、いつしかライアンもナタリーも、自分の人生を見つめ直し始めます。
アメリカ、ジェイソン・ライトマン監督。
「しんぶん赤旗」日刊紙(2010年3月10日付けより)





人とのつながりを避けるライアンに、ナタリーが人生観を語る・・・。




「あなたは生まれ変わるのです」とリストラを告げるライアン自身が生まれ変わっていく・・・。


リストラを仕事として、出張を繰り返していた人生を見直していく・・・。




「戻ろう」と語りかける。
自分の人生は自分で造るんだ・・・





人生で一番大切な瞬間を思い出して・・・


君は一人だったかい・・・


あなたの人生のスーツケース、詰め込みすぎていませんか?
複雑な現在(いま)を生きる、すべての人に贈る人間ドラマ・・・

【マイレージ・マイライフ(MovieWalker)】


【マイレージ・マイライフ(オフィシャルサイト)】
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