【オーストラリア原産の半耐寒性常緑樹】
グレビレアはヤマモガシ科グレビレア属の植物の総称。半耐寒性常緑樹で、オーストラリアを中心に350種ほどが分布し、周辺のニューカレドニア島やニューギニア島などにも一部自生する。高さ2m以下の低木が多くを占めるが、10mを超す中高木のものもある。属名はイギリスの王立園芸協会の前身ロンドン園芸協会(1804年設立)の創設メンバーの一人、チャールズ・フランシス・グレヴィル(1749~1809)の名前に因む。
グレビレアの特徴はその花の形のユニークさ。まるでクモの足を連想させるような花姿から「スパイダーフラワー」という別名を持つ。花には花弁がなく、花弁のように見えるのは葉が変形した総苞。初め小さく丸まっていた雌しべの花柱が次第に長く突き出す。その先端は丸みを帯びる。原種を基に多くの園芸品種が生み出されてきた。総苞の花色は白、赤、黄、ピンクなど多彩。葉は松葉のような細長い線形・針形やシダ類のような柔らかい雰囲気のものなどが多い。
主な種に「アルピナ」「バンクシィ」「ラニゲラ」「ジュビリー」「ロブスタ」「ロンギフォリア」など。国内で流通している代表品種の一つが種間交配種の「ロビン・ゴードン」。四季咲き性で美しい繊細な葉と赤い花に人気があり「ハゴロモノマツ(羽衣の松)」とも呼ばれている。「ロブスタ」(和名シノブノキ、シルキーオーク)は元々高さが30mにもなる高木だが、若木が鉢物向きの観葉植物として流通している。そのほかに葉形などから英名で「ローズマリー・グレビレア」「ラベンダー・グレビレア」などと呼ばれているものもある。