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く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<グレビレア> 個性的な花姿〝スパイダーフラワー〟

2019年05月02日 | 花の四季

【オーストラリア原産の半耐寒性常緑樹】

 グレビレアはヤマモガシ科グレビレア属の植物の総称。半耐寒性常緑樹で、オーストラリアを中心に350種ほどが分布し、周辺のニューカレドニア島やニューギニア島などにも一部自生する。高さ2m以下の低木が多くを占めるが、10mを超す中高木のものもある。属名はイギリスの王立園芸協会の前身ロンドン園芸協会(1804年設立)の創設メンバーの一人、チャールズ・フランシス・グレヴィル(1749~1809)の名前に因む。

 グレビレアの特徴はその花の形のユニークさ。まるでクモの足を連想させるような花姿から「スパイダーフラワー」という別名を持つ。花には花弁がなく、花弁のように見えるのは葉が変形した総苞。初め小さく丸まっていた雌しべの花柱が次第に長く突き出す。その先端は丸みを帯びる。原種を基に多くの園芸品種が生み出されてきた。総苞の花色は白、赤、黄、ピンクなど多彩。葉は松葉のような細長い線形・針形やシダ類のような柔らかい雰囲気のものなどが多い。

 主な種に「アルピナ」「バンクシィ」「ラニゲラ」「ジュビリー」「ロブスタ」「ロンギフォリア」など。国内で流通している代表品種の一つが種間交配種の「ロビン・ゴードン」。四季咲き性で美しい繊細な葉と赤い花に人気があり「ハゴロモノマツ(羽衣の松)」とも呼ばれている。「ロブスタ」(和名シノブノキ、シルキーオーク)は元々高さが30mにもなる高木だが、若木が鉢物向きの観葉植物として流通している。そのほかに葉形などから英名で「ローズマリー・グレビレア」「ラベンダー・グレビレア」などと呼ばれているものもある。

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<唐招提寺> 開祖鑑真ゆかりの名花「瓊花」特別公開

2019年05月01日 | メモ

【保存工事中の御影堂の前庭で6日まで】

 奈良市の唐招提寺で中国伝来の「瓊花(けいか)」が満開となり御影堂(みえいどう)前の「供華園(くげえん)」で特別公開されている。瓊花は隋の皇帝煬帝が愛し門外不出にしたといわれる名花。開祖鑑真和上の没後1200年に当たる1963年、和上の故郷江蘇省揚州市の大明寺から贈られた。連休中で花もちょうど見頃とあって、連日多くの観光客が詰めかけ写真に収めたり花の香を楽しんだりしている。公開は6日まで。

 瓊花は一見ガクアジサイにそっくり。ただ瓊花はスイカズラ科、ガクアジサイはユキノシタ科と分類上は全く異なる。ガクアジサイの高さは2mほどで、花にはほとんど香りがないが、瓊花は高さが4~5mになり、花はほのかに良い香りを放つ。花の形態にも違いがある。瓊花は真ん中にある花の塊を5弁の装飾花(ガク)8つが取り囲む。一方ガクアジサイは3~6弁でガクの数も一定しない。国内で瓊花をめでることができるのは唐招提寺のほかでは岐阜県関市の「神薬才花苑」や「鑑真和上嘉瀬津上陸の碑」が立つ佐賀市の県立森林公園など極めて限られる。

 

 瓊花は国宝鑑真和上坐像を安置する御影堂(重要文化財)の西側にある。御影堂は1650年(慶安3年)築で、元々は興福寺の門跡である一乗院の宸殿だった。明治以降、奈良県庁や地方裁判所の庁舎として転用された後、1964年に唐招提寺に移築された。東山魁夷画伯が心血を注いで10年がかりで描いた「濤声」「山雲」などの襖絵・障壁画(全68面)が飾られた建物としても広く知られる。

 しかし移築から半世紀余りを経て、雨漏りなど老朽化が目立つように。そのため2015年から2年間かけて破損状況を調査、17年から5年の工期で保存修理工事が進められている。最初の2年間は〝曳家(ひきや)工法〟により建物を約30m平行移動したうえで地盤基礎工事を行い、建物を再び元の位置に移動。今後、建物に覆い屋を架けたうえ屋根の葺き替えや壁の補強、畳の新調・表替え、錺(かざり)金具の補修・新調などに取り組む。総工費は7億5000万円。御影堂は毎年6月の開山忌に合わせ公開してきたが、現在は襖絵なども全て取り外されており、公開は修復工事終了までお預けとなる。

 

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