【ノボタン科、真っ赤な円錐花序が房状に】
メディニラはボタン科の熱帯花木で、東南アジアや太平洋諸島、熱帯アフリカなどに約400種が分布する。とりわけ多く自生するのがフィリピン諸島。メディニラの名前も19世紀初めにマリアナ諸島(現在米領)の知事を務めたスペイン人のホセ⋅デ⋅メディニーリャに因むという。
「メディニラ‘火の鳥’」は燃えるような真っ赤な花色と、ブドウのような房状の花を包む大きな苞片(ほうへん)が特徴。その姿はまるで羽根を広げた鳥のようにも見える。学名は「Medinilla hybrid ‘Hinotori’」で、ハイブリッドは交配によって生まれた雑種の園芸品種であることを示す。
作出者は熱帯植物研究家で「有限会社エキゾティックプランツ」(千葉県館山市)の設立者、尾崎章氏といわれる。掛け合わせたのはメディニラの中でも人気の高い「M.magnifica」と「M.miniata」。いずれもフィリピン原産で、マグニフィカは豪華な花姿から〝シャンデリア⋅ツリー〞とも呼ばれる。ミニアータは花や苞が鮮やかな赤色。