く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ブーゲンビリア> フランス探検隊長ブーガンヴィルの名前にちなみ

2014年05月29日 | 花の四季

【オシロイバナ科、原産地は南米】

 ハイビスカスとともに熱帯を代表する花、ブーゲンビリア。オシロイバナ科のつる性植物で、鋭い棘のある枝の先に白、黄、紫、赤、桃などカラフルな色の3枚の薄い〝花びら〟を付ける。ただ、花びらのように見えるのは実は苞葉(ほうよう)。本当の花はその苞に包まれた中心部にあり目立たない。

 原産地は南米。日本には明治時代に渡ってきた。「イカダカズラ」という和名や「ココノエカズラ」の呼び名もあるが、学名から「ブーゲンビリア」または「ブーゲンビレア」が広く使われている。その名前はフランスの探検家、ルイ・アントワーヌ・ド・ブーガンヴィル(1729~1811)にちなんで名付けられた。

 ブーガンヴィルは18世紀半ば、ルイ15世の命を受けて世界一周探検航海に乗り出した。その航海で多くの植物を採集した植物学者フィリベール・コメルソン(1727~73)が、ブラジルで見つけた植物に隊長名を付けたというわけだ。ちなみにパプアニューギニアのブーゲンビル島も隊長のブーガンヴィルにちなんで名付けられた。

 寒さに弱いため冬場は温室栽培が一般的だが、沖縄や紀伊半島南部など温暖な地域では野外でも育つ。和歌山県すさみ町の恋人岬は4~9月、熱海の糸川沿いは5~8月が見頃という。ブーゲンビリアは沖縄の那覇市や豊見城市、宮古島市、西原町、南風原町などの「市の花」「町の花」になっており、海外ではグアムで「島の花」に指定されている。ハワイの州花はハイビスカスだが、ブーゲンビリアもハクレイ(花冠)によく使われる。

 歳時記に記載がないこともあって俳句に詠まれることはあまりない。「筏かづら露路と名付けむ我家前」。これは戦前からタイに在住し、泰国日本人会の「メナム句会」創設者の1人だった横田赤楊氏(1985年他界)の作品。和名「イカダカズラ」を使ってブーゲンビリアを詠み込んだ。ブーゲンビリアはタイ語で「空に向かって花を開く」を意味する「フアンファー」として親しまれているという。


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