く~にゃん雑記帳

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<唐古・鍵ミュージアム> 秋季企画展「弥生遺産Ⅲ~唐古・鍵遺跡の石器」

2015年11月07日 | 考古・歴史

【「土器」「木製品」に続く第3弾、様々な石材から広い交易範囲が判明!】

 奈良県田原本町の「唐古・鍵考古学ミュージアム」で、秋季企画展「弥生遺産Ⅲ~唐古・鍵遺跡の石器」が始まった。奈良盆地のほぼ中央に位置する唐古・鍵遺跡からはこれまでに弥生時代の膨大な遺物が出土している。企画展は一昨年の土器、昨年の木製品に続く第3弾で、弥生時代の人々が石についていかに高い知識と技術を持って利用していたかを幅広く紹介する。12月6日まで。

 

 主な展示品はサヌカイト(別名讃岐石)や流紋岩の原石、打製や磨製の石鏃・石剣・石小刀・包丁・石斧、石製投弾、糸を紡ぐための紡錘車など。唐古・鍵遺跡の石材の大半は集落外から運ばれた。サヌカイトは遺跡の南西約12キロにある二上山北麓から、流紋岩は南約6キロにある耳成山から運ばれてきたとみられる。遺跡からは原石を加工した未完成品や失敗品も多く見つかっており、交易範囲の広さとともに石器生産が集落内で行われていたことを示す。

 

  打製石器に適したサヌカイトからは石小刀や石鏃などが大量に製作された。石鏃は弥生時代前期のものは小型のものが多く、中期になると大型化していく。狩猟具から武器へという機能の変化によるものとみられる。また弥生中期には大型の打製石剣も多く作られており、弥生時代が争乱の時代だったことを裏付ける。磨製石器の石材の流紋岩や結晶片岩は穂摘み具の石包丁、安山岩や玄武岩は石斧など加工された。石製投弾(石弾)が多く出土したのは弥生中期以降の地層からだが、狩猟具なのか武器なのかはまだ結論が出ていない。

 会場入ってすぐの所に打製石器(長さ16.8cm)と鞘がセットで展示されている。弥生時代に作られた尖頭器は「石槍」とも呼ばれ、槍先か短剣か分からないケースが多いが、この石剣は鞘入りのため用途が短剣と明確に分かる貴重な出土品。鞘には斜めに2つの穴が開いており紐を通して腰に下げ、万能刃物や護身用として身に付けていたものとみられる。鞘の上部に桜の樹皮が巻かれるなど、精巧な作りが目を引く。


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