く~にゃん雑記帳

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<中津祇園> 辻々で華麗な踊り、勇壮な練り込みも

2018年08月01日 | 祭り

【台風接近で最終日は午前中で終了!】  

 長い伝統を誇る大分県中津市の中津祇園が7月27~29日の3日間行われ、踊り舞台を備えた豪華な山車「祇園車(ぎおんぐるま)」が城下町を曳き回された。ただ「戻車(もどりぐるま)」と呼ばれる最終日の29日は迷走台風12号の接近のため、午前中に全ての神事を終了し、歩行者天国への祇園車の集結など午後に予定されていた行事は中止となった。

 中津祇園は別々に繰り広げられる中津神社の〝上祇園〟と闇無浜(くらなしはま)神社摂社の八坂神社を中心に行われる〝下祇園〟からなる。かつては上祇園の1週間後に下祇園が行われていたが、1971年から同日開催となった。始まりは約580年前といわれるが、現在のような山車が登場したのは約330年前の1683年(天和3年)からという。祭り期間中に曳き回される祇園車は上祇園7台、下祇園6台の計13台。加えてそれぞれ神輿が1基ずつ担ぎ出される。

 

 

 祇園車の大きな特徴はほとんどが舞台付きの踊車(おどりぐるま)であること。中津の狭い路地を巡行できるように、左右の軒の部分を上向きに折り曲げた〝折り屋根〟になっているのも特徴の一つ。金箔を張った破風、華麗な彫刻や格天井など贅を尽くしたものが多い。重さ2~3トンという祇園車を支えるのは〝グル〟と呼ばれる重厚な車輪。樹齢数百年の松でできており、祭り後に山車が解体されると、車輪は虫食いなどの被害から守るため中津城の堀などに埋められるそうだ。

 

 最終日の29日、中津神社の南側一帯を巡行する上祇園の祇園車から梅沢富美男の『夢舞台』が聞こえてきた。近づくと音楽に合わせ1人の踊り子が舞台でしなやかに舞っていた。祇園車は〝高〆(たかじめ)〟が張られた通りの辻(十字路)で止まっては踊りを奉納し、次の辻に向かった。この〝辻踊り〟は辻や町と町の境界などから侵入してくると信じられていた悪霊を、神様の力で退散させてもらおうというもの。踊り子の中心は小中学生の女の子たちで、ある祇園車では8人で全員踊りを行っていた。本番に向け練習を重ねてきたのだろう、みんな見事な踊りを披露して大きな拍手が送られていた。

  

 祇園車7台はこの後、1台ずつ鳥居をくぐって神社に戻った。多くの祇園車が広い境内を全力疾走する〝練り込み〟を披露、土煙をもうもうと舞い上げながら2周ほど回っていた。正午前後には台風の影響で雨が降り始め、祇園車は次々とブルーシートなどで覆われた。祇園車の最後尾は片端町踊車で、ちびっ子を満載して入ってきた。子どもたちのかわいい笑顔が印象的だった。最後に鳥居をくぐったのは新魚町の奉仕による中津神社の神輿。この新魚町もかつては祇園車を出していたが、昭和の初めに宇佐地域の町に売却したそうだ。

 

 


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