く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<オオカメノキ> 枝先にガクアジサイに似た大きな白花

2014年05月06日 | 花の四季

【ガマズミ属の落葉低木、「ムシカリ」の別名も】

 スイカズラ科ガマズミ属の落葉樹で、北海道から九州まで全国各地の山地に自生する。花期は4~6月頃で、枝先にガクアジサイに似た形の白い花を付ける。真ん中に集まった小さな両性花の周りを、直径3cmほどの大きさの装飾花が車状に取り囲む。雄しべと雌しべを持っているのは両性花。装飾花は花弁が変化したもので受粉はできない。

 オオカメノキの和名は丸くてシワの多い葉が亀の甲羅に似ているから「大亀の木」になったといわれるが、他にも諸説がある。ガマズミの漢名「キョウメイ」が「カメ」に転訛し、大きなガマズミとしてオオカメノキになったという説や「大神の木」に由来するという説など。オオカメノキは「ムスカリ」の別名でも呼ばれる。これは葉が虫に食べられやすいことから来ており、語源は「虫狩」からとも「虫食われ」の転訛したものともいわれる。

 同じガマズミ属の仲間にガマズミ、ヤブデマリ、ゴマギ、サンゴジュなど。オオカメノキの花はこのうちヤブデマリによく似ているが、ヤブテマリが枝を水平に伸ばすのに対し、オオカメノキは斜め上に伸ばす。葉の基部の形はヤブデマリが円形なのに対し、オオカメノキはハート形にへこんでいるのも特徴。材がしなやかで折れにくいため、古くは輪かんじきの材料として用いられ、縄の代用の「ネソ」としても使われてきた。実は野鳥の好物。初め赤くなり、その後、次第に黒く熟す。

 東京・山梨の都県境にある日本三百名山の1つ、三頭山(みとうさん、標高1531m)の近くに「ムシカリ峠」がある。この名前は昔、その周辺にオオカメノキが多く自生していたことによるという。オオカメノキは環境省のデッドデータには登録されていない。ただ、東京都では絶滅の危険性が極めて高いとして絶滅危惧Ⅰ類に指定されている。他の都道府県では鹿児島で同Ⅱ類、山口で準絶滅危惧種になっている。


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