く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<草笛演奏家・岡内章二郎さん> 被爆樹木の葉っぱに平和の祈りを込めて

2012年08月09日 | ひと模様

【哀愁帯びた迫力ある響き、演奏会は年間200回】

 プロの草笛演奏家、岡内章二郎さんの講演と演奏会「平和の祈りを草笛にのせて…」が8日、奈良県生駒市主催の「平和のつどい」の中であった。岡内さんは1951年広島県生まれ。広島市原爆被害者の会2世部会運営委員も務めており、被爆樹木の葉っぱを使って奏でる草笛を通じ、平和の大切さと核兵器の廃絶を訴え続けてきた。各地で開く草笛演奏会は年間約200回に及ぶ。2007年には日本音楽フェスティバルで審査員特別賞、08年には東久邇宮文化褒賞を受賞している。

   

 岡内さんの父親が大切にしていた観葉植物のベンジャミンが原爆で枯れた。父は一生懸命水やりを続けたが、新芽を見ることなく亡くなった。ところが岡内さんが遺志を継いで世話をしていると、父の逝去から50年目、被爆後62年目にして再び芽が出てきたという。草笛は主にその被爆ベンジャミンの葉っぱで奏でる。この日は観葉植物のカポックも加え2種類の葉っぱで、「涙(なだ)そうそう」「原爆を許すまじ」「アメージンググレース」「戦争を知らない子どもたち」「上を向いて歩こう」など12曲を演奏した。

 作務衣姿の岡内さんが目を閉じ、左手の指で葉っぱを口に押し当てると、哀愁を帯びた草笛の大きな響きが会場を包み込んだ。その迫力は想像をはるかに超える。1枚の小さな葉っぱから出てくる音とは到底信じられないような音色に圧倒された。「音楽には全世界に平和を伝える力があると信じています。被爆樹木の葉っぱにこだわって、いつも魂を込めてふいています」。岡内さんは演奏の合間に、原爆を体験した人たちが作った詩も朗読した。「信じられない、信じられない。多くの死者を出したあの戦争を人間がしたこと。また人間が始めているということ。信じられない、信じられない」――。


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