く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<レンゲソウ(蓮華草)> 田畑を一面赤紫色に! 長閑な春の原風景

2013年05月01日 | 花の四季

【岐阜県の県花、「ゲンゲ(紫雲英)」「ゲンゲン」とも】

 赤紫色の蝶のような形の花が輪状に集まって咲く様がハスの花に似ていることから「蓮華草」の名が付いた。中国原産で、マメ科ゲンゲ属。「ゲンゲ」は中国名の「翹揺」の音読みから来ているという。「紫雲英」の漢字表記は畑一面を紫色に染める様をたなびく雲に見立てたことによる。「ゲンゲン」の別名も。「野道行けば げんげんの束 すてゝある」(正岡子規)。

 渡来時期については室町時代や江戸時代から、もっと遡って奈良時代以前まで諸説。中には遣隋使の小野妹子が中国から種を持ち帰ってきた、いや唐招提寺を開いた鑑真和上が日本に伝えたといった説もあるそうだ。根の根粒菌が窒素を固定し土地を肥沃にするため、古くから緑肥として田畑に漉き込まれ、家畜の飼料としても利用されてきた。若い茎葉はおひたしや煮物、揚げ物などにもなる。

 岐阜県の県の花。古くから種の主産地でレンゲの蜂蜜生産も盛んなことから、半世紀以上前の1954年に郷土の花に選ばれた。かつて長閑な春の風物詩だったレンゲ畑も化学肥料や耕運機、早稲苗の普及などで年々減少していたが、最近また各地で復活の機運が高まってきた。有機栽培の見直しや村おこしによる観光客誘致などがその背景にあるようだ。

 レンゲが市の花になっている愛媛県西予市では今年も4月29日に恒例のれんげまつりが開かれた。会場は約10ヘクタールのレンゲ畑が広がるJR伊予石城駅前周辺。町村合併前の宇和町で1976年に第1回を開いて今年で37回だが、年々規模が拡大し今では市内最大のイベントになっている。2010年まで「世界レンゲ祭り」を開いていた千葉県大多喜町では4月28日、3年ぶりに祭りが復活した。「手に取るな やはり野に置け 蓮華草」(滝野飄水=江戸中期の俳人)。


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