く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<オオカナメモチ(大要黐)> 西日本の山地にわずかに自生する絶滅危惧種

2019年06月11日 | 花の四季

【垣根に人気の「レッドロビン」はカナメモチとの交配種】

 バラ科カナメモチ属の常緑樹。中国南部から台湾、マレーシア、フィリピンなどにかけて自生し、日本国内でも四国の愛媛県宇和島市や鹿児島県の奄美大島などに隔離分布する。かつて岡山県でも備前市日生町で確認されていた。しかし現在は「野生絶滅」としている。環境省は国内で絶滅の危険性が極めて高まっているとして「絶滅危惧ⅠA類」に指定している。

 樹高は大きいものでは10~14mにもなる。葉も花序もカナメモチより一回り大きい。葉は長楕円形または長倒卵形で長さ10~20cm。学名「Photinia serrulata(フォティニア・セルラータ)」も属名が「輝く」、種小名は「細かい鋸歯のある」を意味し、表面の光沢と縁に鋸歯がある葉の様子を表す。新しい葉が出てくると古い葉は紅葉して落ちる。花期は5~6月頃。枝先の直径15cmほどの半球状の花序に白い5弁花(径6mmほど)をたくさん付ける。赤い葉が美しく垣根によく使われる「レッドロビン」はカナメモチとオオカナメモチの交配種で、米国で作出された。

 オオカナメモチが宇和島や岡山・日生などで発見されたのは50年以上前の1960年前後。当初はオオカナメモチの変種として扱われ、76年発刊の初島住彦著『日本の樹木』にも変種の「テツリンジュ」という和名で紹介された。そのため宇和島市の三浦権現山にあるオオカナメモチも94年に「テツリンジュ」として市の天然記念物に指定されている。また福岡県福津市の宮地嶽神社では境内に植えられたオオカナメモチが御神木になっているが、こちらも「鉄輪樹(てつりんじゅ)」と呼ばれている。

 


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