【原産地はエクアドルなど南米北部の熱帯雨林】
イワタバコ科ペアルケア属の常緑多年草。学名は「Pearcea hypocyrtiflora」で、日本の園芸界ではその名前のまま流通している。ペアルケア属は南米を中心に20種ほどが分布する。このヒポキルティフローラも南米北西部に位置するエクアドルやコロンビア、ペルーなどの標高700~2500mの熱帯雨林に自生している。
最大の特徴は何と言っても風船のようなユニークな袋状の花の色と形。その姿は一見エノキダケに着色したキノコの仲間のようにも見えてしまう。草丈は15~20cmほど。花の色は鮮やかなオレンジ色で直径1~2cm。表面は短い毛で覆われ、中は空洞になっている。葉は楕円形で濃緑色~赤褐色。葉脈がくっきりと美しい縞模様を描いており、観葉植物としても楽しめそうだ。
鳥媒花で、南米に多いハチドリに花粉の送粉・受粉を行ってもらう。ハチドリはハチのように羽をブンブンと高速で羽ばたかせホバリングしながら蜜を吸う。その羽ばたきは1秒間に50~80回にもなるそうだ。空中で静止したまま長いくちばしを球状の花の中に挿し込み、奥に蓄えられた甘い蜜を吸うのだろう。