く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<オオバナノエンレイソウ(大花の延齢草)> 北海道~東北に自生する〝森の貴婦人〟

2019年06月15日 | 花の四季

【北海道大学のシンボル、発芽から開花までに10年以上!】

 ユリ科エンレイソウ属の多年草で、北日本から千島列島、サハリン、カムチャツカ半島、中国東北部、シベリア東部にかけて分布する。国内では北海道と東北の一部に自生し、岩手県が南限とされる。草丈は30~50cm。落葉広葉樹林の林床など湿り気のある場所に生え、5~6月頃、輪生する3枚の大きな葉の上に直径5~7cmほどの白花を上向きに一つ付ける。

 学名は「Trillium kamtschaticum(トリリウム・カムチャティクム)」。属名は数字の「3」と「ユリ」の合成語で、花弁・萼片・葉がそれぞれ3つずつからなることを表す。種小名は「カムチャツカの」の意。発芽から花が咲くまでに10~15年という長期間を要する。純白の大きな花の気品のある佇まいから「森の貴婦人」と称えられている。一方で「ヤマソバ」という異名も。これは花後にできる黒い果実が三角錐の形をしてソバの実に似ることによる。

 国内に自生するエンレイソウ属の植物は9種。北海道にはその全てがそろっていることから、研究者の間では〝エンレイソウ王国〟と呼ばれているそうだ。十勝地方の「シーサイドパーク広尾」(広尾町)は国内最大のオオバナノエンレイソウの群生地として知られる。北海道大学のキャンパス内にある原始林「恵迪(けいてき)の森」(札幌市北区)の群落も有名。北大の校章などシンボルマークにはオオバナノエンレイソウの花が図案化されている。「雲ゆく雲雀に延齢草の 真白の花影さゆらぎて立つ」。恵迪寮の寮歌『都ぞ弥生』の中でもこう歌われている。

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