く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<チャボリンドウ(矮鶏竜胆)> ヨーロッパアルプスの三大名花の一つ

2019年06月10日 | 花の四季

【雪解けとともに鮮やかな青紫の花を上向きに】

 リンドウ科リンドウ属の多年草。ヨーロッパのアルプス山脈~ピレネー山脈の標高1000~3000mの高地の草原に自生する。葉がロゼット状に広がり草丈は10cmほどと低いが、雪解け後の5月から8月にかけて、丈の割に大きな青紫の花を上向きに開く。リンドウの仲間には1つの茎に数輪ずつ花を付けるものが多いが、このチャボリンドウは短い花茎の上に1輪だけ咲く。先端が5つに裂けたラッパ状で、花冠内側の基部には紫色の斑点模様が入る。

 チャボリンドウは学名「Gentiana acaulis」からゲンチアナ・アコーリスとも呼ばれる。属名は紀元前にバルカン半島の西部(旧ユーゴスラビア地方)にあったイリュリア王国のゲンティウス王の名に因むそうだ。種小名アコーリスは「無茎の」「丈の低い」を意味する。頭にチャボと付いた和名も、草丈が低く花茎の短い様子を小型のニワトリで脚が短いチャボ(天然記念物)になぞらえた。

 チャボリンドウは「アルペンリンドウ」とも呼ばれる。エーデルワイス、アルペンローズ(シャクナゲの一種)とともに〝アルプス三大名花〟の一つにも数えられている。よく似た原種の仲間には小型種の「ゲンチアナ・アルピナ」、〝トランペットリンドウ〟という英名を持つ「ゲンチアナ・クルシイ」などがある。国内ではチャボリンドウをもとに作り出された園芸品種が「アルペンブルー」の名称で流通している。

 

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