く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<キョウガノコ(京鹿子)> 京染め鹿の子絞りにたとえて

2018年06月10日 | 花の四季

【シモツケソウの仲間、変種の白花は「夏雪草」とも】

 バラ科シモツケソウ属の多年草。日本原産といわれるが、自生地は確認されていないという。仲間のシモツケソウ(下野草)と東北~中部の日本海側に分布するコシジ(越路)シモツケソウの交雑種、あるいはシモツケソウの突然変異種ではないかと推定されている。古くから栽培されて初夏の茶室を飾る茶花の一つとされてきた。

 花期は6~8月頃。高さ60~100cmで、分枝した茎の先に濃いピンク色の5弁の小花をふわふわと密に付ける。蕾は粒々で、花径は6~7mmほど。多数の雄しべが突出する。その花姿を小鹿の背の斑(まだら)模様のような京染めの鹿の子絞りにたとえて優美な名前をもらった。「京鹿の子絞(きょうかのこしぼり)」として国の伝統的工芸品に指定されているが、植物名の方は一般的に「きょうがのこ」と濁るようだ。

 6月9日や6月23日の誕生花で、花言葉は「密かな恋」「質素な美」「はかなさ」など。変種の白花のものはナツユキソウ(夏雪草)と呼ばれる。ヨーロッパ~西アジアには同じシモツケソウ属の仲間「メドースイート」が分布する。この和名はセイヨウナツユキソウ。ただイタリア・シシリー島原産のナデシコ科のセラスチウムもナツユキソウ(別名シロミミナグサ)と呼ばれる。「京鹿の子咲くと添水(そうず)のはずみけり」(佐野青陽人)

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