く~にゃん雑記帳

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<イタチササゲ(鼬大角豆、鼬豇豆)> 花色が次第にイタチの毛のように

2016年07月21日 | 花の四季

【ササゲに似た豆果、「豌豆草」「山豌豆」などの別名も】

 マメ科レンリソウ属の多年草。日本のほか朝鮮半島、中国大陸にも分布する。日当たりのいい草原や河原、林縁などに生え、7~8月ごろ、葉の脇から花軸を伸ばし、総状花序に蝶形の花を下向きに多数付ける。花弁は長さが1.5cmほどで、先端は上向きに反り返る。

 開花後、初めのクリーム色が次第に茶褐色に変化していく。その色をイタチの毛の色に見立てた。イタチと命名された植物にはほかにイタチガヤ、イタチシダ、イタチハギなどがあるが、いずれも花色や形をイタチになぞらえた。イタチササゲの「ササゲ」は扁平で細長い豆果(長さ6~8cm)が食用のササゲに似ているところから。

 葉は偶数羽状複葉と呼ばれ2~4対の小葉からなる。レンリソウ、ハマエンドウなど他のレンリソウ属の植物と同じく、葉軸の先端から巻きひげを伸ばし周りのものに絡み付く。別名の「エンドウソウ(豌豆草)」は若いときの草姿がエンドウによく似ていることによる。「ヤマ(山)エンドウ」や「エンドウササゲ」といった異称もある。

 江戸時代の植物学者小野蘭山の『本草綱目啓蒙』(1806年)にも「茳芒 イタチササゲ ヱンドウサウ」と紹介されている。「茳芒(こうぼう)」は漢名。また江戸中期の百科事典『和漢三才図会』(1712年)でも取り上げられており、かなり古くから知られた植物だったことが分かる。中国では種子を薬用に用いるという。若芽・若葉は山菜として、おひたしや和え物、炒め物、てんぷらなどに。ちなみに全国各地の山地の林縁などに生えるマメ科の「ノ(野)ササゲ」は「キツネ(狐)ササゲ」とも呼ばれている。

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