く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<セツブンソウ(節分草)> 早春に可憐な花 日本原産の山野草

2015年03月03日 | 花の四季

【スプリング・エフェメラル(春の妖精)、国の準絶滅危惧種】

 日本特産のキンポウゲ科の山野草。石灰岩地帯を好み、関東地方以西の落葉樹林や谷間の斜面などに自生する。花期は2~3月。節分の頃から咲き始めるので「節分草」の名が付けられた。高さ10cm前後の茎の先に径2cmほどの花を付ける。5枚の花びらのように見えるのは蕚片で、本来の花弁は紫色の雄しべを囲んだ黄色の蜜腺状のもの。

 

 直径1cmほどの小さい球根から寒さにめげず細い茎を伸ばし可憐な花を付けるが、地上に姿を見せるのは僅か3カ月余り。花が終わると葉や茎はまもなく枯れて地下で長い眠りに付く。その儚い命からカタクリやニリンソウなどとともに「スプリング・エフェメラル(春の妖精)」とも呼ばれる。

 セツブンソウは山野草愛好家の間で人気が高く、自生地などではこっそり採取する被害が絶えない。京都府立植物園内の植物生態園でも盗難に何度も遭っており、その盗掘現場を観察会などで公開し現状を訴えたこともしばしばという。環境省の準絶滅危惧種。都道府県のレッドリストにも岐阜、三重、愛知、大阪、京都など11府県で絶滅危惧のⅠ類またはⅡ類として登録されている。

 国内の群生地では今がちょうど見ごろ。埼玉県小鹿野町両神地区では8日に「せつぶん草まつり」を開催、広島県庄原市総領町は15日に「節分草祭」、滋賀県米原市大久保地区も15日に「セツブンソウふれあい祭り」を開く。岡山県美作市の田殿神社境内や長野県千曲市の戸倉・倉科両地区の群落も有名。「咲くだけの光あつめて節分草」(高橋悦男)。

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