【相楽木綿伝承館を拠点に、手織りの絣木綿を復元!】
けいはんな記念公園(京都府精華町)の「水景園」内にある観月楼「ギャラリー月の庭」で、9日から「第6回相楽木綿(さがなかもめん)作品展」が始まった。同公園と観月楼内にある「相楽木綿伝承館」(代表福岡佐江子さん)との共催事業。伝承館の機織り教室の受講生たちが丹精込めて織り上げた作品40点余が並ぶ。15日まで。
相楽木綿は藍染めの紺地に色糸の縞(しま)と絣(かすり)が織り込まれた織物で、明治初期から昭和10年代にかけて京都府南部の相楽村(現木津川市相楽地区)を中心に生産された。「大和機(やまとばた)」と呼ばれる伝統的な手織機や、その改良機「チョンコ機」で織った相楽木綿は美しいうえ風合いの良さもあって、かつて庶民の布地として関西一円に広く流通した。
相楽木綿が再び脚光を集め始めたのは2004年に京都府立山城郷土資料館で開かれた「相楽木綿展」がきっかけ。その翌年に福岡さんが仲間とともに「相楽木綿の会」を立ち上げ、さらに09年には復元と伝統の継承を目的に伝承館の運営も始めた。伝承館では翌10年に機織り教室初級コースを開講、それ以降順次、中級、上級コース、専科、そして研究科を設けてきた。
作品展も各コースごとに受講生の作品を展示している。手織り生地だけでなく着物や手提げバッグ、作務衣、ブラウス、チュニック、サルエルパンツなども並ぶ。いずれも深い藍色に微妙な柄や色彩が織り込まれて味わい深く、素朴な中に温かみがあふれていた。伝承館の活動もいよいよ軌道に乗ってきたようだ。長く途切れていただけに、その復元の裏にはいろいろとご苦労があったに違いない。