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高倉健が「単騎、千里を走る。」(2006)以来6年ぶりの映画出演です。監督は、
高倉とともに「夜叉」(1985)「あ・うん」(89)「鉄道員」(99)などを生み出してき
た降旗康男で、期待して見ました。
北陸にある刑務所の指導技官・倉島英二(高倉健)は、最愛の妻・洋子(田中
裕子)を53歳で亡くし、"故郷の海に散骨してほしい"と生前に妻が書いた絵手
紙を受け取ります。
そんな妻の真意を知るため、英二は手作りのキャンピングカーで妻の故郷・長
崎県平戸へと向かうのでした。
その1200kに及ぶ道中で出会ったさまざまな人々と交流するうちに、妻との思
い出が英二の頭をよぎります・・・。
「夜叉」「あ・うん」のプロデューサーで08年に死去した市古聖智が遺した原案を、
降旗監督と脚本家の青島武が再構築したオリジナルストーリーで、キャストは、
高倉とは「夜叉」以来27年ぶりの共演となるビートたけしのほか、田中裕子、佐
藤浩市、草剛、綾瀬はるか、余貴美子、三浦貴大、大滝秀治、長塚京三、
原田美枝子、浅野忠信など豪華顔ぶれです。
初日の映画館はほぼ満席状態で、中高年が目立ちました。おばちゃんたちの
声高な話を聞くと「久し振りの映画館、楽しいねー」の類がほとんど・・・。
降旗監督の余裕のある演出ぶり、一部ロケ地の美しさ、人情はせなしなど結構
見せる場面も多いのですが、ファン待望の一作として充分に期待に応えた作品
だったかというと、残念ながらNOと言わざるを得ません。
先ず脚本の綿密さが足らず、夫婦の結びつきがなんかウヤムヤなこと、途中で
出会う人との挿話に入り込み過ぎてメインストーリーに水を差す結果となってい
ます。
一種のロードムービーですから、もっとロケ効果が発揮されても良かったと思い
ます。
一番大事なことは私も大好きな高倉健のことです。彼のたたずまいは絵になる
のですが、今回の健さんは歳を取り過ぎています。容姿も声も81歳の健さんで、
60歳の俳優が80歳の役は出来るが、80歳の人が60歳の役はどう撮っても無理
だということです。
懐かしさのあまり許容する人も多いでしょうが、この映画の健さんを見ていると気
の毒になります。
ですからもっと健さんに向く役柄が、そしてストーリーがあっただろうに・・・と残念
至極に思う私でした。
(8/25 TOHOシネマズ天神 初日 12:40の回 166人)