映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「あなたへ」

2012年08月30日 | 日記

   

     高倉健が「単騎、千里を走る。」(2006)以来6年ぶりの映画出演です。監督は、
     高倉とともに「夜叉」(1985)「あ・うん」(89)「鉄道員」(99)などを生み出してき
     た降旗康男で、期待して見ました。

     北陸にある刑務所の指導技官・倉島英二(高倉健)は、最愛の妻・洋子(田中
     裕子)を53歳で亡くし、"故郷の海に散骨してほしい"と生前に妻が書いた絵手
     紙を受け取ります。
     そんな妻の真意を知るため、英二は手作りのキャンピングカーで妻の故郷・長
     崎県平戸へと向かうのでした。
     その1200kに及ぶ道中で出会ったさまざまな人々と交流するうちに、妻との思
     い出が英二の頭をよぎります・・・。

     「夜叉」「あ・うん」のプロデューサーで08年に死去した市古聖智が遺した原案を、
     降旗監督と脚本家の青島武が再構築したオリジナルストーリーで、キャストは、
     高倉とは「夜叉」以来27年ぶりの共演となるビートたけしのほか、田中裕子、佐
     藤浩市、草剛、綾瀬はるか、余貴美子、三浦貴大、大滝秀治、長塚京三、
     原田美枝子、浅野忠信など豪華顔ぶれです。

     初日の映画館はほぼ満席状態で、中高年が目立ちました。おばちゃんたちの
     声高な話を聞くと「久し振りの映画館、楽しいねー」の類がほとんど・・・。
     降旗監督の余裕のある演出ぶり、一部ロケ地の美しさ、人情はせなしなど結構
     見せる場面も多いのですが、ファン待望の一作として充分に期待に応えた作品
     だったかというと、残念ながらNOと言わざるを得ません。

     先ず脚本の綿密さが足らず、夫婦の結びつきがなんかウヤムヤなこと、途中で
     出会う人との挿話に入り込み過ぎてメインストーリーに水を差す結果となってい
     ます。
     一種のロードムービーですから、もっとロケ効果が発揮されても良かったと思い
     ます。
     一番大事なことは私も大好きな高倉健のことです。彼のたたずまいは絵になる
     のですが、今回の健さんは歳を取り過ぎています。容姿も声も81歳の健さんで、
     60歳の俳優が80歳の役は出来るが、80歳の人が60歳の役はどう撮っても無理
     だということです。

     懐かしさのあまり許容する人も多いでしょうが、この映画の健さんを見ていると気
     の毒になります。
     ですからもっと健さんに向く役柄が、そしてストーリーがあっただろうに・・・と残念
     至極に思う私でした。
                      (8/25 TOHOシネマズ天神 初日 12:40の回 166人)

コメント (2)
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