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"尾道三部作"などの大林宣彦監督が、新潟県長岡市で撮りあげた作品で、
やっと福岡でも上映されることになり早速見ました。
先に2004年の新潟県中越地震から復興をとげ、11年の東日本大震災の時
にはいち早く被災者を受け入れた新潟県長岡市がこの映画の舞台です。
11年の夏、熊本県天草の地方紙記者・玲子(松雪泰子)が長岡を訪れます。
目的は、中越地震を乗り越えて復興し、東日本大震災の被災者をいち早く
受け入れた同地を取材することでしたが、同時に長年音信不通だった元恋
人の教師・片山(高嶋政宏)からの「生徒たちが創作した"まだ戦争には間に
合うという名の舞台と、長岡の花火を見てほしい」という便りに心が引かれた
こともあったのです。
ここで玲子はさまざまな人と出会い、彼女の取材の旅は、過去、現在、未来
といった時間を超越した不思議な体験を重ねて行くことになります・・・。
長岡市の花火は日本一の大玉花火で話題のものですが、これを中心にハ
ートウォーミングに描き出されるものだと思って見ていたら大間違いでした。
通常の劇映画のスタイルとは違っていて文章で言えばエッセイ集みたいな
映画です。
賛辞が渦巻くこの作品ですが、私は正直に感想を述べさせていただきます。
まず困ったことはナレーションや登場人物が喋ること喋ること。
もっと映像の流れで進行させればいいのに喋り過ぎです。更に現地での製
作委員会の要望が強かったと思われますが、あれもこれもと挿話の入れ過
ぎも纏まりを欠いた要因です。
長岡に模擬原子爆弾が落とされた挿話など歴史的にも大変興味あるものも
ありましたが、とにかくお話が多過ぎるし、出てくる人物の交通整理も上手く
出来ていませんので、判りにくい内容で終わっています。
結論的に言えば、製作スタッフ・キャストの熱意や真面目さは買いますが、
映画としては長尺の割りに纏まりがなく、大林監督の一人よがり作品にな
っています。
音楽や撮影が非常に優れていることなどを考えるととても残念です。構成
を変えて作り直して欲しいと思うくらいの失敗作です。
(8/4 大洋映劇 初日 10:40の回 15人)