kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

陸上教室

2014-12-28 | 陸上競技
土曜日、この日も一日練習を予定していました。午前中は色々あって陸上競技場へ。かなり久しぶりの競技場でした。今回は「陸上教室」を行うことに。これは中学校の先生にお願いされての実施でした。市内の中学校が集まって合同練習をするということで、そのタイミングに合わせて短距離の練習をしてほしいという依頼がありました。断る理由もなくですね。人数や競技力が不明だったので「一般的なこと」を中心にするほうが良いだろうなと考えていました。

実際は100人くらい参加者がいたでしょうか。日本中学記録を持っている選手から大会に出場するのが目標となる選手まで幅広い参加者でした。中学生に指導する機会というのはそれほど多くはありません。また、中学生に細かい技術指導をするのは難しいと思っています。「理解」という意味ではまだ未発達ですから理論的な話をしても伝わらない。更には人数が10人程度であれば細かく指導しても動きを見ることができますが100人ともなると収拾がつきません。本当に「一般的なこと」を伝えるだけになります。それでもせっかくの機会ですから少しでも役に立てばよいなと考えて実施することにしました。

アップも人数が多いので道具が足りなくなります。普段はタイヤで行うアップをマークを使って行いました。ラダーのような感じで行います。ゲーム性を持たせる方が面白いだろうと思って競争形式で。シャトルランも行いましたがこれもゲームのような感じで。うちの選手にも手伝わせました。あれこれ指示を出しても人が多いと通りません。これはどのような場面でもいえることですが「意欲的に学ぼう」という子は話をしっかりと聞こうという姿勢が見られます。そうでない子は「なんとなく聞いている」という感じになるのでこちらの指示も通りません。やはりアシスタント的な人が必要になります。それを選手に任せることに。

アップ終了後は簡単に「脚運び」を。これは絶対に必要だと思っていますが技術的なこととしては難しいと思っています。普段はそれほど考えずに走っています。語弊があるかもしれませんから補足しておきますがうちの選手に「中学校の時は何か考えて走っていたか?」と確認したところ「何も考えていなかった」という返答だったのでこのような書き方になっています。技術的な細かいことを意識しながら走る中学生というのはほとんどいないと考えています。走る中でいつの間にか速くなっているという感じでしょうか。突き詰めて話すとこれが理想だとは思いますが、高校に入って一からやることになるので結構大変です。中学時代は「身体作り」と「感覚作り」で良いのではないかと思ってはいます。そこを踏まえて「直線的な足運び」だけ話しました。地味な練習なので中学生には退屈かもしれないので最小限に。

そこからチューブを使っての練習へ。前日に高校生対象に「重心の移動」の話をしました。これだけで何時間もかかったというのは前の記事に書いています。中学生にそれほど細かいことはできません。飽きてしまいます(笑)。そのため「強制的に重心移動を作る」という練習へ。チューブ引きです。チューブを使ってもも上げをして途中で引っ張っているのを緩める。その一瞬の感覚をつかんでもらいたいと思って実施しました。チューブで引っ張ると思うように前に進めません。重心の移動がしにくい。その状態からチューブを緩めると一瞬身体が軽くなりスーッと前に進むところがある。そこの感覚を体で覚えてもらう。体重の移動や軸足に腰を乗せるなんてことは言っても理解できないと思います。高校生で毎日のように話してもできないのですから(笑)。動きの中で自分で感覚をつかむ。そのために何度も繰り返しました。

休憩をはさんでマークを使ってのもも上げ。これも最初は狭いマークで実施。これは細かいことを言いました。どうしても適当にやってしまう子が出てくるんので「しっかりと膝を上げる」という部分を大切にしました。「もも上げは必要ない」と言われるかもしれません。これはどのレベルで必要ないと判断するのか?最初の動きの段階では意識的に膝を上げる動きをすることも必要だと思っています。腸腰筋の強化にもつながりますし。足先だけで速く動かしてしまう子が多くいます。それを改善するためには「大きなもも上げ」も効果があります。狭い距離でしばらくやってから距離を伸ばしました。少しだけ「重心移動」を生み出すためです。無駄に長くしても対応できないと思ったのでそれなりに。

最後はメディを使ったスキップへ。これも重心移動を生み出すためには必要な要素だと思います。中学校記録保持者もいたのでスキップをしてもらいました。動き云々ではなくとにかく「進む」のです。練習中に何度も言いましたが「他の選手と身体的(形態として)の差はない」のです。一番の違いは「進むかどうか」です。とにかく一歩で大きく進みます。この動きを見てやはり別格だなと感じました。この日は前キャプテンも手伝いに来てくれていたのでスキップをしてもらいました。この子のスキップは技術的に本当にうまい。前に進むための動きしかしません。身長は150センチくらいしかありませんが12秒17で走っていました。その原動力となったのがこのスキップ。切り返しの速さもここで鍛えてきた部分があります。お手本を見せながら中学生にもやってもらいました。練習を重ねる中でかなり進むようになってきた子がいました。やはり練習は偉大です。もっと時間があればあれこれできるのですが。1週間くらい基本的な動きをやるだけでスピードや動きは格段と変わるだろうなと感じました。こういう意味では中学生は面白いですね。様々な「原石」が眠っている気がします。

2時間半程度でしょうか。私は声を出し続けていたのでぐったり(笑)。選手にも手伝わせながらやっていたにも関わらず結構疲れました(笑)。それでも「こうやったほうが指導が入りやすいな」というのも感じることができました。普段とは異なるカテゴリーの選手を指導することで勉強になることもたくさんあります。大事なことですね。まー多分こういう機会はもうないと思いますがもう少し少人数で専門的な技術指導をしてみると飛躍的に記録が伸びる子が出るではないかと思います。これは「私の指導が良いんですよ」というのではなく時間が足りない中学生にみっちり(それなり?)に技術指導ができると違うだろうなと感じているだけです。そういう意味では中学校の指導者は大変だと思います。限られた時間の中で何を教えるのかを取捨選択しながらやらなければいけませんからね。

貴重な機会でした。また機会があればぜひ。なかなか依頼はないと思いますが(笑)。

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