「関数ドミノ」 イキウメ公演 於:シアタートラム
作・演出: 前川知大、出演:浜田信也・安井順平・伊勢佳世・盛隆二・岩本幸子・森下創・大窪人衛・新倉ケンタ・吉田蒼
2005年に初演、2009年に再演され、今回は新型の2014年版だそう。
ある地方都市の見渡しの悪い交差点。交通事故が起こり、車は大破するが、ぶつかったはずの歩行者は無傷。六人の目撃者がいたが、納得できる説明が出来るものは誰もいない。
中の一人がこれは特別な人間「ドミノ」が起こしたものだと主張したことから、目撃者達の心に変化が生まれ・・・・・。
東洋大学の哲学科を卒業した前川知大の作・演出。
哲学科卒だから哲学的と言うのは短絡的過ぎるが、突拍子もないことを理詰でどんどん押してきて、いつのまにかその世界に観客を取り込んでしまう、不思議な才能を持つ作家であり演出家である。
一見SF的でドライな感覚の芝居だが、特殊な能力を持ちながら負け犬根性が邪魔をして能力を生かせなかった男の悲しい物語というウエットな面も持つ。この辺が強引だけでない、観客をひきつける前川の魅力なのだろう。
いつもの「イキウメ」のメンバーも期待通りの息のあった演技を見せ、お薦めの芝居。
公演は2014年06月15日(日)まで
☆過去にコメントを書き洩れた芝居
3月『幽霊』
久しぶりに戯曲に真っ向から取り組んだ芝居を見た。イプセンの「幽霊」。演出は、最近「芸術選奨新人賞」を取り注目の森新太郎。
梅毒が不治の病であるとか、現代に馴染まないところもあるが。人生をどう生きるかと考えさせられる芝居だ。
気になったのは息子の感情にあたふたする場面での安蘭けいの歩き方。気品までなくしては元も子もない。
4月『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』公開リハーサル@KAAT』神奈川芸術劇場
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