酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

『シブヤから遠く離れて』

2016-12-23 18:09:37 | 演劇



『シブヤから遠く離れて』 (於)Bunkamuraシアターコクーン

作・演出:岩松了、出演:村上虹郎、小泉今日子、鈴木勝大、南乃彩希、駒木根隆介、小林竜樹、高橋映美子、たかお鷹、岩松了、豊原功補、橋本じゅん

劇評家である徳永京子さんが、朝日新聞でこの芝居を誉めていたのを見て急遽チケ取り。二階の端の最後尾の席がやっと一枚取れて出かけていった。

虚と実のあわいを描き、見る側の感受性がためされている芝居なので、評価は分かれるだろう。ただ私は期待ほどには入り込めなかった。
ポイントであるセリフで、なるほどと思わせる部分もあるが、作者が自分の作ったセリフに酔っていて、芝居の上滑りを感じてしまう。また公演のオフィシャルサイトで訴える「暗い記憶の狭間を浮遊する青年ナオヤ(村上虹郎)と、全てから逃れようとする不思議な女マリー(小泉今日子)との静かな、しかし力強い愛」もあまり感じられない。「青春性や色気」なども中途半端。

11年前に岩松了の原作で蜷川幸雄が舞台化したものの再演。出演者は小泉今日子を除き交替している。
青年ナオヤ役は前公演の二宮和也に代わり村上虹郎。私の見た回では、出だしは良かったのだが山場でのセリフの滑舌が不安定になったのが残念。
マリー役の小泉今日子は美しい声が魅力的。ただ多少情感不足を感じたが、これは作・演出の岩松了の好みで抑えたのかもしれない。
橋本じゅん、豊原功補、たかお鷹などベテランが脇を支える中で、アパートの管理人役の高橋映美子がさりげなくうまい。

他では①建物の間取りや構造(本玄関は何処?二階へは外階段しか行けないの?)、②登場人物の年齢設定(父と子の年齢が開きすぎ?ナオヤが事件を起こしたのは何歳?)、③「小鳥のいる鳥かご」「ゼラニウム」「孔雀の絵」「コンパクト」で何かを象徴させようとしている演出家の意図など、考えることが多くて今一つ芝居に夢中になれなかった。

公演は12/25(日)まで。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿