NODA・MAP第21回公演 『足跡姫 時代錯誤冬幽霊』 (於)東京芸術劇場 プレイハウス
作・演出:野田秀樹 、出演:宮沢りえ・妻夫木聡・古田新太・佐藤隆太・鈴木杏・池谷のぶえ・中村扇雀・野田秀樹
私が芝居で過去最高に笑ったのは、野田秀樹と中村勘三郎が出た『表に出ろいっ!』。もう7年位前の舞台である。
二人の本当に楽しそうなセリフのやりとりが今でも心に残る。今回の舞台は死んでしまった勘三郎へのオマージュの意味合いもあるという。
間違いなく野田さんの芝居ではあるのだけれど、残念なことに得意の言葉遊びにいつもの切れ味がない。筋も由井正雪を登場させたり苦労のあとも見えるのだが、全体にどこか二番煎じ。理が勝ち過ぎていて、見ていてくたびれる。宮沢りえや妻夫木聡や鈴木杏など役者も揃っているだけに、不満は大きい。
カテコがスタンディングにならなかったのも、またいつもの溢れるような熱気ある客の入りにならなかったのもその証しかもしれない。
ただ中村勘三郎のオマージュとして見ていた人も多く、客席からの拍手の雰囲気はあたたかかったが。
芝居を見たあと野田秀樹の脚本『足跡姫』を読んだ。舞台ではマイペースでひょうひょうと演じていたかのように見えた古田新太が、脚本の人物を一番ぴったりと捉えているように感じられた。
堀尾幸夫の舞台美術が美しい。
公演は3月12日(日)まで。
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