曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

蝶の冬ごもり

2021年02月01日 | 日記

今日の花

椿

 

 


 蝶と言えば春を思い起こしますよね。
日本では、冬の間は蝶の飛ぶ姿はほとんど見かけませんが冬の間でも蝶はいるのです。というか一年中いるのですが冬は人目につかないだけです。

今日は2月に入ったばかりですがまだ大寒のうちですから一年で最も寒い時期ですね。暦の上では明後日の立春から春ということになりますが本当の春らしさはまだまだ先の話です。
コロナの状況は厳しいし、雪国の人たちはまだまだ深い雪の中で暮らしていることと想いますので、こんな時には蝶たちの冬ごもりをちょっとのぞいてみませんか。

今日お見せする蝶はムラサキツバメというシジミチョウの仲間です。成虫のまま冬を越して春になって木々の新芽が伸び始めるころその新芽に産卵して一生を終えます。
マテバシイなどの木を食草としますがこの越冬場所にはそのような食草になる木は見当たりません。ここはあるお寺の裏庭なのですが毎年のようにこの場所のハランの葉の隙間で集団越冬をします。
数頭から十数頭の蝶が寄り添って塊のようになって冬を越します。越冬の間天敵の野鳥などに見つからないよう葉と葉の重なった間にいることが多いです。翅の裏は保護色で
まるで枯葉のようでので、蝶の塊は落ち葉の塊にしか見えません。目の良い鳥たちを欺いているのでしょうね。でも私たちは見つけます。

このムラサキツバメは冬の間じっとしているのかと言えばそうでもありません。1月2月の最も寒い時期にでも小春日和と言われる気温15℃にもなり春を思わせるような暖かい日が時たまあります。
そんな日には日差しの中を飛び回るのが見られますし、日の良く当たるところにとまって翅をいっぱいに広げ日向ぼっこをしているのが見られます。
でも3時ごろになって気温が下がって来ると元居た場所に戻ってみんなが寄り添って再び塊になります。面白い習性ですね。

そして3月の20日ごろ本当に春が来ると、いつの間にか越冬場所には一頭もいなくなっています。

 


ムラサキツバメの集団越冬

 

重なり合っていますが、何頭いるでしょう。

集団越冬しているところはこんなところです。ほとんど毎年このハランで越冬集団が見られます。冬を過ごすのにきっといい場所なんでしょうね。

 

暖かい日には外へ出て日向ぼっこをします。

暖かい日に越冬場所から出て飛び回っても必ず元居た場所に帰って来るのは不思議です。