今日の花
赤い花というのは写真に撮るのがとても難しいですね。カメラの機種によるのかも知れませんが 私の普段使っているデジカメでオートでカメラ任せで撮ると肉眼で見た赤い色と異なった色になります。赤いバラ・真っ赤なポピー・などカメラ任せで撮ってうまくいった試しがありません。そうそう、輝くような純白の花も難しいですね。デジカメって中間色は得意なのに純粋な色は苦手のようです。
今日は午前中は良い天気でしたが午後にはまた降り出しました。10時ごろ久しぶりで谷のキジョランを見に行きました。春に産み付けられたアサギマダラの卵がどんなになっているか興味があったのです。大きな株には幼虫はいませんでしたが、谷の奥の方の小さな株の葉をめくってみると前蛹がぶら下がっていました。まず1枚写真を撮って、もう一度よく見るとなんと背中が割れているのです。今蛹化が始まったところだったのです。アサギマダラの飼育は度々やっていますので前蛹から蛹になる場面は何度も見ていますが、それは室内での飼育の場合であって、こんな風に自然界での蛹化の場面が見られるなんてめったにないこと初めてです。興味のある方は見てください。
アサギマダラの蛹化 2013/6/25
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ほとんど脱皮が完了しました。
アサギマダラの蛹化
サムネイルの△印からスタートすると画面が小さいままです。右下のYou tubeの印をクリックしてYou tubeサイトで見る方がきれいに見られますがブラウザによってはうまくいかないこともあるようです。そのような場合には下のリンクをクリックしてみてください。
アサギマダラの蛹化のYOU TUBE動画 こちらをクリックしてYou Tubeのサイトへ飛び全画面表示で見る方が迫力があります。
このキジョランの全体像をお見せしますが、こんな小さな木なのです。少なくとも5枚の葉は食べられてきれいになくなっていました。
分かりにくいので矢印を付けました。谷の斜面に生えている小さなキジョランです。(実は昨年種をまいて育てた苗を観察用に私が植えたのです)
10:07:58
もう一息で脱皮殻が落ちそうです。この殻を落とすためとぶら下がっているフックをしっかり差し込むためしばらくは身をよじりながら激しく動き回ります。
近くの別のキジョランにもう1匹幼虫がいました。
10:13:58
だいぶ体が短くなってきました。
10:31:05
始まってから30分あまりです、蛹の格好に近づきました。
この幼虫は5月の中ごろこのキジョランに産み付けられたものでしょう。沖縄など日本の南の方の地方で生まれたアサギマダラが3月ごろから北上してゆきますがメスは途中であちこちに産卵しながら北へ向かうのでしょう。また大島でもたくさんのアサギマダラの幼虫が越冬しますがそれらは5月に成虫になります。でもアサギマダラは他の蝶のように生まれるとすぐに交尾して産卵活動を始めるわけではない(メスの成熟には日数がかかる)という説もありますので今日見つけた幼虫は大島で越冬したアサギマダラの2化というわけではないのかもしれません。
大島で一年間に何回発生を繰り返すのか気になるところですが、7月と8月とには里のキジョランには幼虫を見たことがありません。山頂付近には成虫がいますが最も暑い時期には産卵はしないのではないかと思います。9月になると卵や幼虫が見られるようになり10月の初めには3化目のきれいな成虫が飛ぶようになります。9月以降は11月までずっと新しい産卵が見られます。ぎりぎり11月の末に羽化というのも見たことがありますが、それより遅れたものは気温の低下により幼虫越冬ということになるようです。卵を家に持ち帰り室内で飼育すると1月に羽化したり3月の初めに羽化した例もあり温度さえあれば冬でも発生するようです。
さて、この蛹は今頃の気温ですと2週間くらいで羽化して蝶になると思います。大島での2化目のアサギマダラですがこの蝶は生まれたのち北へ向かうことはないのではないかと思います。 夏の暑い間を600m以上の山頂付近で過ごし9月にまた里へ下りてきて産卵しその後各地で産卵しながら10月には気温の低下とともに南へ向かうものと思われます。
蝶の飼育は好きでいろんな蝶を飼ってみましたがアサギマダラの飼育が回数と時期においても一番多く経験しています。卵から成虫になるまでのすべての発育ステージを写真と動画に収めていますが、不思議なことに大島でアサギマダラの交尾を見たことがないのです。フィールドではオスは群れていることがありますがメスは単独でいることが多いのです。いつどこで交尾をしているのでしょうね。