曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

闇の魔界に魅せられて

2018年06月30日 | 日記

 5月の半ばにゲンジボタルが出て以来、夜になるとカメラを提げては出かけてきました。6月の中旬にはゲンジボタルがいなくなったのでしばらくお休みしましたが、下旬になるとまたヘイケボタルの時期なので、夜8時になると「ちょっと行ってきます」と言って出かける毎日でした。てかける場所は川とかため池の近くと言ってもほとんど人里の近くですから、人は周りに誰もいないとはいえ人間社会の中なので寂しさとか怖さはほとんど感じません。むしろだれにも邪魔されることなく写真が撮れるので気楽と言っても良いでしょう。ある時、どうして毎晩ホタルを見に行くのですかと友人に聞かれてすぐに答えられませんでしたが、それほど大した意味があるわけではなく蝶の写真を取りに行くのと変わらないと思います。でも毎晩出かけると言っても、飲み屋へ行くと言えばそれほど変じゃないかもしれませんが、ホタルを見に行くと言うのはやはり変わっているのでしょうか。夜であれ昼であれ自然と向き合っているのが好きなんでしょうね。でもホタルと言うのはとてもユニークな生き物でお互いの連絡信号として光を使うと言うのは珍しい生き物ですね。見ていてとてもきれいです。

ゲンジボタルとヘイケボタルとは子供のころから見慣れていますが、ことしは初めてヒメボタルを見に行ってみようと思い立ちました。ヒメボタルは陸生のホタルで里近くにもいますが山の中にいることが多いようです。幼虫が育つためには陸生の貝が必要なのでそんな場所を探さねばなりません。陸生と言っても貝は貝ですから乾燥しすぎる所は良くないだろうと見当をつけて嵩山へ登る林道を走ってみました。山頂より少し下の方で植林が比較的新しくてやや傾斜の緩い林にヒメボタルはいそうだと見当を付けたのが当たって、車を降りるとすぐに点滅する光が見えてきました。昔から見慣れたゲンジボタルやヘイケボタルのゆったりした光り方と違って鋭く点滅をしながら林の中を飛ぶのです。暗闇のなかで小さな光のフラッシュが点滅する様は普通のホタルと全く雰囲気が違います。しばらくは立ち尽くして眺めるほど感動しました。その情景を上手く写真に撮れるかどうか心配でしたが、夢中になりました。今まで経験したことのない山の中の暗闇もそれほど気になりませんでした。でも、道路を外れて林の中へ入ったり草地の中へは入れませんでした。道路は人間の世界ですが山の中は人間の世界ではありません。何がいるかわからない世界だし危険も伴います。物の怪の世界と言うか、魔界と言えば良いのか明らかに人間の世界ではありません。そんな闇の世界を小さな光が点滅しながら飛ぶのを見るとそれは尋常のものとは思えません。すばらしいものを見たという喜びは大きいものでした。感動は次の日にまで残りました。

さすがに次の日も出かけるのは気が引けたので家でおとなしくしていましたが、次の日にはもう少しあの場所を詳しく調べてみたくなり懐中電灯も二つ準備をして三脚も大きいしっかりしたものを持って出かけました。初めの日にはイノシシにも出会いませんでしたが、山の中にはきっと何匹もいます。イノシシたちとももめごとは起こしたくないので、対策は考えていました。ホタルが目的ですから大きな明かりを付けることはできません。明かりを点けて周りを明るくしておけばイノシシも寄ってこないだろうと思いますが、ホタルに明かりは禁物です。とすると大きな音を出し続けるのが良いかなと考えそのつもりで山の中の現場に行きましたが、ホタルに夢中になって車のラジオをつけておくのを忘れていました。二度目ですから場所にも暗闇にも慣れていろいろ調べていたのですが、突然背後の闇の中から「ブオー、ブオー」と言うイノシシの鳴き声が響いてきました。威嚇でしょうか。「やはり来たか。」とこちらも大きな声で咳払いをして存在をアピールしました。追っ払わないと落ち着いてホタルの撮影ができないので車のエンジンをかけてライトをつけ鳴き声のした方にライトを向けてパッシングをしました。それから車のラジオをつけてにぎやかにしておきました。これでイノシシはこちらにやって来ることはないでしょう。元々イノシシは憶病な動物です。こちらが存在をアピールすれば向うが避けてくれるはずです。そのあとはいろいろ不思議な生き物を見ることができてすっかり闇の世界の虜になりました。

山の中で光っているのはヒメボタルだけかと思っていたら、今まで見たこともない虫が光っているのを見つけました。それは陸生ホタルの幼虫であることは間違いないのですが幼虫が真っ暗の中を光りながら木を登って行く所は初めて見ました。暗闇の中でその幼虫の写真を撮るのは結構難しかったです。家に帰って調べてみた所オオマドホタルの幼虫ではないかと思います。光を放ちながら木に登るのは何の意味があるのでしょう。成虫が光って合図をし合うのは交尾のためですから意味がありますが、オオマドホタルの幼虫はなぜ光るのでしょうか。それから点滅しながら飛んでいるホタルの中にあまり点滅しないホタルが飛んでいました。あわててたたき落として明かりをつけてみると何とゲンジボタルのオスでした。水辺から何キロも離れている山の中をなぜゲンジボタルが飛んでいるのでしょう。風で飛ばされて来たのでしょうか。

このような人里を離れた山の中の世界とは本当に変わった世界でした。海の中の世界を覗くのも好きですが、こんな物の怪の世界があることも初めて知りました。魅せられたと言うか、夜の山の中の世界をもっともっと詳しく調べてみたいと思いました。山の中で見る星空はまた格別です。初秋の頃の空気の澄んだ季節になったら山へ星空を見に行くのもいいかもしれません。

 

 


ヒメホタルの住む林

 

 

木々の間から見える安下庄湾と竜崎温泉の明かり

 

暗闇で見つけたオオマドホタルの幼虫  お尻の所の白い部分が光ります。

 

 

こんな所にはいないはずのゲンジボタル

 

ヒメホタル

 

山から下る途中林道でイノシシに会いました。窓からのぞいてフラッシュをたいて写しましたがもう山の中へ消えていました。

 


ブルーライトカット液晶保護プロテクター

2018年06月29日 | 日記

 私は農業を生業としているので若いころからずっと肉体労働を続けてきました。そして余暇を楽しむこともアウトドアーが好きで海に山にと結構ハードなことをしてきましたが、その割に体のパーツはあまり傷んでいないらしく手足や腰などが痛むことはありません。そして内臓もそれなりにちゃんと機能しているらしく健康診断で問題になる所もありません。健康診断でお医者さんにあなたの年で何も薬のお世話になっていないのは立派ですと褒められたこともあります。

しかし、目だけは問題を起こしています。62歳の時白内障が急に悪化してすぐに手術を受けました。白内障の治療と言うのはすごいですね、濁った水晶体を取り除いて代わりのレンズを入れるのですが画期的に良く見えるようになりました。白内障と言うのは多分強い紫外線から網膜を守るためにおこる病気ではないかと思います。歳とった網膜細胞は若い時ほど丈夫ではなくなっているのでしょう。そのために水晶体を濁らせて紫外線の入るのを防ぐよう自己防衛しているのかもしれません。白内障の手術の際入れるレンズはUVカットのレンズにしていただいたのですが、その後も相変わらず強い紫外線を浴び続けたせいか今度は網膜がやられて黄班変性という病気になりました。もういい年ですから、紫外線への対応も考えねばならないのでしょうね。今まで全く気にしなかったのですが出来ることは何でもした方が良いのでしょう。先日友人から、目の保護のためにパソコンのブルーライトカットフィルムを使ったらと勧められました。今まで考えてもいなかったことなのですが、パソコンを使う時には結構長時間使ったりしますので、ディスプレイの出す紫外線やブルーライトをカットすることは是非とも必要なことかもしれないと思い、すぐに注文を出しました。ただ一つ保護フィルムに心配なことがありました。私の趣味の写真を編集する際保護フィルムによる影響があるのかないのか、それで画面に張って使うフィルムタイプを止めて簡単に外せるパネル形式のものにしてみました。アクリルで出来ていて紫外線は99.9%除去できると言うので、まずそれを使って見ることにしました。パネルの透明性から見て色にはほとんど影響は出ないようです。ただパネルの表面が外の光を反射するのでディスプレイの画面が明るい時には問題が無いのですが、画面が暗い時には反射光が気になります。ただパネルは付けたり外したりが簡単なのでどうしても生の画面が見たい時にははずすようにして使っています。

皆さんもパソコンやスマホを長時間使われる方はプロテクターは考えた方が良いかもしれません。お勧めします。

 


保護プロテクター

 

 

 

画面が暗い時には反射がきついですね

 

電源を入れるとそれほど気になりません。

 

パネルを付けた時の画面とはずした時の画面を比較してみましょう。

 

パネルを付けた時の画面

パネルを外した時の画面 

普通の画面では色も明るさもほとんど気になりませんね。

 

ホタルの映像の時は無い方が良かったです。

 

それほど高価なものではありませんので、皆様も気軽に使って見られたらいかがですか。

 

 


ヒメホタル

2018年06月25日 | 日記

今日のホタル

山からヒメホタルを1匹連れて帰りました。  明日の朝には山へ帰しに行きます。

 


 ホタルと言えば誰も水辺を想像しがちと思います。清流に飛ぶゲンジホタル、田んぼのあぜ道で見るヘイケホタル、どちらもホタルの幼虫は水の中で育ちます。そして水のそばのコケなどに卵を産むのでホタルの成虫は水辺から遠く離れることはありません。

ところが、山の中で育つホタルの仲間もいます。その一つがヒメホタルですが、林の中などで育ち少し開けた林の中で早い点滅をしながら飛び回る姿は川辺で見るホタルと全く風情が違います。ゲンジホタルの光が緑がかった光で長く尾を引くように飛びますが、それに対してヒメホタルの光は黄色くて鋭く早く点滅しながら飛びます。チカチカと点滅しながら林の中を縫うように飛ぶ様は幻想的です。

今夜は三脚にカメラを取り付ける金具を忘れて行ったので、三脚の上にカメラを載せて手で持ちながらの撮影だったので、多少のぶれがあります。また今夜は月がとても明るくて林の外は明るすぎて困りました。

 

山の中の林道にたった一人でいるとやはり不気味というか、最初は暗闇に多少恐怖を感じます。でも1時間も撮影しながらホタルを眺めていると闇の世界にも慣れてきました。それでも森の中や草地には入らないようにしています。もののけの世界と人の世界には境界を作らねばなりません。

 


林の中や林道を飛ぶヒメホタル

 

ヒメホタルの軌跡

 

 

 

山の中の駐車場にて

 

開けた所にいると本当に明るいのです。

 

木々の間から下界の町明かりが見えます

 

山の中の別世界はいかがでしたか。 

 


ホタル狩り

2018年06月24日 | 日記

今日の花

クチナシの花

 


 毎晩、夜の徘徊が続いています。

今夜はお誘いがあったので、ホタル狩りに参加しました。  「こっちのみーずは甘いぞー  ほっほっホータル来い !」

今夜はよく晴れ渡り満月に近い月が周りを明るく照らしていました。そのせいか、ホタルがなかなか飛び始めませんでした。あちこちで飛び始めたのは8時半を過ぎていました。おじさんたちは「あっちにいる、こっちにもいる。」と少年のように必死で網を振っていました。努力のかいもあってビニール袋が明るくなるほどホタルを集めることができました。本の上にビニール袋を乗せれば字が読めたかもしれません。

ホタルを集めに行ったのはある目的があるからなのです。ある集落で昔田んぼだった畑を整備してホタルの公園を作ろうとしています。草刈りをして荒れた畑をきれいにして、水路には水を引いて昔の水田がたくさんあったころの様な自然に近い環境を作ろうとしています。ほとんど絶えてしまいそうなほたるを復活させるため近所の沢山いる所のヘイケホタルを少しばかり移すことにしたのです。新しい所にホタルが根付くかどうかはまだ分かりませんが、今夜はそのためのホタル狩りだったのです。

 

来年たくさんのヘイケホタルが出るといいですね。

 


おじさんのホタル狩り

 

これは何でしょう

捕まえたホタルをビニール袋に入れています。 

 

次々と飛んでくるのでキリがありません。

予想以上に集めることができました。もうこれくらいで十分じゃないかと・・・。

 

今整備しているホタルの里

 

連れてきたホタルを水路に放します。

 

 

オスはどんどん飛び立って行きました。

 

草にとまって残っているのはメスでしょうか。

 

ゲンジホタルに比べると光は弱いです。そして点滅のリズムが速いようです。

 

あんなにたくさん飛んでいたゲンジホタルはもう1匹もいませんでした。

 

現在は全国においてもゲンジホタルに注目が集まり気味で、ヘイケホタルの方は多くの人から注目されていないようです。ゲンジホタルはどちらかと言うと流れのある清流にすむのでゲンジホタルが居なくなると川が汚れたとか農薬のせいだとか環境問題として見られますが、ヘイケホタルの方はため池とか田んぼや水路など元々清流とは言えない所に住んでいます。そして人里の近くに多くいたので珍しさも少なかったのかもしれません。それに光の強いゲンジホタルの方が光の弱いヘイケホタルより見栄えがします。そんなことで、ヘイケホタルは注目度が低いのかもしれませんが、しかしながら今は田んぼが整備され水路はコンクリート化してヘイケホタルはゲンジホタルより減っているのではないでしょうか。

 

 

 


ヘイケホタル

2018年06月22日 | 日記

今日の花

庭のアジサイ  少し繊細でかわいいアジサイです。

 


 しばらく夜は家でおとなしくしていましたが、また夜の徘徊が始まりました。6月の初旬でゲンジホタルが姿を消しました。家で飼育していたホタルは結構長生きをして6月の12日まで飼育箱の中で光っていました。

30年くらい前には家の前の排水路でヘイケホタルが毎年発生していて近所の人が見に来ていました。でもその排水路は工事でユウジ溝に変えられて蓋が付けられて暗据になりホタルは途絶えてしまいました。以後ヘイケホタルを見ることはなくなりました。ゲンジホタルとヘイケホタルは発生時期が異なり、ゲンジホタルはこの辺では5月の半ばに現れ6月の初旬には姿を消します。ヘイケホタルの方は6月の20日頃から7月の初めごろです。子供のころすごい数のホタルが乱舞するのを見た記憶があるのですが、かなり暑い時期だったように思いだします。そして捕まえたホタルも小さかったようなのできっとあれはヘイケホタルだったのかもしれません。

それを確かめたくて今夜はヘイケホタルのいそうな所へ行ってみました。道のそばの草にも沢山とまってちかちかとかすかな光を発していました。体の大きいゲンジホタルより光は小さくて点滅のリズムが速いのですね。今夜はヘイケホタルが出ているかどうかを確かめるだけのつもりだったので三脚などの小道具は持っていなくて、写真は手持ちの撮影だけでした。上手く撮れませんでしたが、かなりの数が飛んでいましたので安心しました。

 


ヘイケホタル

光が弱いのと点滅が早いのでゲンジホタルより撮りにくいですね。

 

ヘイケホタル  ゲンジより小さいです。

道路へ落ちたホタルをフラッシュで撮りました。

 

 

どんな所かと言うと古いため池のそばなのです。ため池は今は使われていないらしく池の中には柳や葦などが茂っています。

 

夜の山の中は人の世界ではありませんね。今夜は曇っていましたが月明かりでかなり明るかったです。

 


今日は夏至です

2018年06月21日 | 日記

今日の花

まだまだアジサイですね

 


 今日は夏至ですが、日本では特別な日との認識が薄いような気がします。冬至の日にはカボチャを食べる風習がありますが、夏至には何を食べるのでしょうか。答えられないとチコちゃんに叱られます。冬至にカボチャと言うほどには決まっていないようですがタコを食べると言う所もあるようです。夕飯の時、私が今日は夏至だよと言うと、カミさんがタコを買ってくれば良かったねと言いましたので、カミさんの育った所では夏至はタコだったのでしょうか。まあ何を食べなければいけないと言うのは無いので食べ物のお話はこれまでにします。

北極圏で暮らすエスキモーの人たちは夏至のことはきっととても大事な日ではないでしょうか。一日中、日が沈まない生活は私には想像しにくいのですが、そんな所で暮らしてみたいと思います。夜更かしの好きな私にはぴったりかもしれません。時々眠くなったら寝て、一日をダラダラと暮らすのもいいかもしれません。今日は一日中夏至のことをいろいろ考えていました。

夕方には日没の写真を取ろうと考えていましたが、仕事が長引いて日が沈むまでに出かけることができませんでした。それでも予定は予定だから日はとっくに沈んでいましたが海岸まで行ってみました。差ほどきれいな夕焼けではありませんでしたが、西の空を写真に撮りました。

 


夏至の日の日没

明日からお日様は南半球の方へ向けて帰って行きます。

 

間に合わなかったけど、↑のあたりに日は沈んだのでしょう。

 

 

南の方の空です。

 

 

お日様はもうはるか西の方へ行ったのでしょうね。

 

今朝は雨で見られなかったので、明日の朝早く目が覚めたら朝日を見に行きましょう。明日の朝はよく晴れそうです。

 

 


野生のイノシシ家族と出会いました

2018年06月20日 | 日記

今日の海

西側は海面を海霧が覆っています。こんな所を舟で走っていると周りが何も見えず方角すら分からなくなります。

 

東側は雲が低く垂れこめていますが海面まで届いてはいません。今朝のは雲までの高さは10mか20mでしょうが、昔沖に出ていたころにはもっと低く雲が下がって来て舟の上で立ったら顔は雲の中に入り、座ったら向うが見通せるようなこともありました。

 

今はGPSという便利な道具がありますが、20年ほど前には舟を走らせるのにコンパスだけが頼りでした。

 

 


 今日は天気も悪く畑の仕事もできないので10時頃からアサギマダラのことで東和地区の方へ行きました。外入から地家室への山越えの道を下っていた時、日中なのに県道の真ん中に大きなイノシシがいるのに出くわせました。チャンスとばかり車を左に寄せて止めて、カメラを取ってそのままフロントウインドウ越しに撮影を始めました。野生の獣や鳥などは自動車の中にいれば人のことをあまり気にしません。ドアを開けて車の外に出ると相手は人であることを認識して、お互いの関係がまずくなります。イノシシの様な大型の動物の場合人間とトラブルを起こすとまずいことがありますので、ここは外へ出ないようにして運転席から写真を撮りました。最初見たときには大型のイノシシが1頭だけでいるものと思ったのですが、子供を数頭連れた母親イノシシであることが分かったので、一層注意が必要となりました。そっとエンジンを切り惰性で車をイノシシタ達に近づけました。母親はこちらを向いてちゃんと私のことを認識したようですが、あわてて逃げる気配はありません。子供たちをそばに寄せて安全を確認するとそのまま土を掘って何か食べているようでした。やがて子供たちが先に立って畑の奥の方に入って行ったので母親も奥の方に姿を消しました。ただこれだけのことですが、イノシシたちは人間を見てもあわてる風は全くありませんでした。ただ道路が境界線で道路より山側が彼らのテリトリーなのでしょう。それにしても昼間に子供を連れて出てくるとはすごいですね。

実は、数日前に福島の原発事故で広く汚染された森や集落の様子をNHKスペシャルで見たばかりだったので、その時の福島の光景と似ていたので驚いてしまいました。福島の放射能汚染立ち入り禁止区域では人のいなくなった町に野生動物が入り込んで自由に暮らしている姿がテレビに写されました。大島は過疎が進んではいますがまだ集落には人が住んでいます。野生動物が日中道路を歩いていようとは思いもかけませんでした。私が撮影している間中私のことを気にはしていましたが無視しているようでした。私が撮影している間に2台の車が私を追い越して通り過ぎました。その時もイノシシたちは気にしていない様子でした。将来、もっと過疎が進むと野生動物と人との間柄はどうなるのでしょう。今でも人の作っている農産物はそうとう被害にあっています。厳重な囲いをしないと農作物は収穫できません。特にイモ類はイノシシの大好物ですから最近は囲ってある柵まで破られるケースが出ているようです。人間は境界線を守るためこれからも野生動物を駆除するために戦うのか、諦めて、農地や集落を放棄するのか、しばらくの間は現状を守ろうとするでしょうが、遠い将来のことは分かりませんね。

何とか共存することはできないものでしょうか。イノシシたちとこんなにゆっくり付き合えたのは初めてのことです。

話のついでに、先日テレビで見たNHKスペシャル「被爆の森」のことも書いておきたいと思います。もうご覧になった方はいろんなことを感じられたと思いますが、あの原発事故で強く汚染された地域は住んでいた住民が避難した後全く手つかずで放置されています。 今あれから7年経って変わり果てています。草木が伸びて自然の原野に戻って行くのは想像できますが、野生動物が人の住んでいた町や村にすぐに入って来て人家などを住処にしているのは意外でした。何年も人を見ない状態でいたので人への警戒心も薄れているようでした。町の中を真昼間に歩きまわるイノシシ家族や人の植えた果物など食べ放題のサルの群れなど野生動物にとっては生活のしやすい楽園となっているようです。ただ彼らは強い放射能を浴び続けていることは知らないわけですから、この結果が幸せなことかどうかは分かりません。チェルノブイリでは30年も経つのにまだ広大な立ち入り禁止地区があります。福島のこの地域もまだあと何年も人が入ることはできないかもしれませんが、人間の愚かさを検証するためにもこの地域が将来どうなって行くのか十分な調査と多くの人への周知が必要と考えられます。広島・長崎の原爆を忘れてはいけないように、チェルノブイリや福島のことを忘れないように努めたいものです。責任のある政府関係者や電力会社は早くみんなの記憶ら消し去りたいと思っているかもしれませんが、この壮大な禁じられた実験場は将来のために役立ってくれることを願います。

番組「被爆の森」は2年前に1回目の放送があり、2回目がこの3月に放送されました。そして先日6月17日にも2時間番組として放送されました。NHKならではの力作ですので再放送もあるかもしれません。まだご覧になっていない方は是非個欄になるようお勧めします。何年か後に3回目もあると思います。

過去の番組は少しお金を払わなければ見られませんがオンデマンドでの配信もあります。2年前の「被爆の森」はお金を払っても惜しくないと思いました。

 


野生動物との共存、今のところ、イノシシたちは人間に一歩譲っていますね。

 

出会った時には道路の真ん中にいました。カメラを持った時にはみかん畑の方に入って行きました。

 

私の方をじっと見ていましたが、やがて無視しました。

 

母親が道路の方を気にしていました。

 

ウリボウが1匹道に残っていました。

 

母さんに呼ばれたのでしょうか。

 

はっきり数えられませんでしたが、ウリボウは5~6匹いたようです。

 

イノシシが掘り返した所で、雉の子供が餌を探していました。

 

雉の子供たちは私の存在が気になるようでイノシシより先に姿を消しました。

 

子供たちはすべて身の回りに呼び集めたので安心しているのかもしれません。

 

何か餌を探しているようです。

 

時々私の方を見ます。

 

ウリボウたちはここでは何もすることが無いようです。

 

母親はまだ何かしきりに探しています。

 

子供たちはお母さんより先に上の畑に上がりました。

 

上の畑に先に上がったウリボウが「お母さん早くおいでよう。」と言っているようです。

 

「はいはい 行きましょうね」と子どもたちの方へ姿を消しました。

 

私がここに来る前に掘り起こした跡です。水仙の球根がたくさん露出していますが、何を食べたのでしょう。

 

 

 


梅雨らしくなってきました

2018年06月18日 | 日記

今日の景色

 

 

数日前の景色

同じみかん畑で仕事をしていますが、晴れと曇りでは気分が違います。

 


 今日は、一日中曇りで時々小雨が落ちてきました。明日からは雨が続きそうです。 

 

約200年前の今日、正確には1821年6月18日にベルリンの王立劇場でウェーバーのオペラ「魔弾の射手」が初演されました。そしてその時大好評を博したそうです。

私も今日、久しぶりで聴いてみました。皆さんもいかがですか。

私が撃ったら7発目は誰に当たるのでしょう。未だ悪魔に心を売り渡したりしていないので、そんな心配はありませんけどね。

 

歌劇《魔弾の射手》序曲(ウェーバー)

 

 

 


薬剤散布

2018年06月17日 | 日記

今日の花

スカシユリ  野菜畑ではいろんな色の百合が次から次へと咲いています。

 


 今の時期にとても大事なみかんの作業に付いてご紹介しましょう。

5月に咲いた柑橘の花は終わり小さな実になっています。その小さな実は半年から一年かけて大きくなり熟して美味しいみかんになります。その間風雨にさらされるとともに害虫や病気にも見舞われます。特に今の梅雨時にはいろんな病気が発生しますし、また害虫の発生時期でもあります。それで果実やみかんの木を病気や害虫から守るためには薬剤散布が欠かせません。人間の食べ物である野菜や穀物そして果物は無農薬で自然に出来たものが理想的ではありますが、地球上の七〇億の人間や狭い日本の中にひしめき合って暮らす人たちの食べ物を安定的に供給するには無農薬自然農法では難しい所があります。

わたしはみかんを始め柑橘類を作って消費者の皆様に販売し召し上がっていただいています。みかん類は飾っておくものではなく食べ物の一つですから美味しさと安全性には特に注意を払っています。美味しい実を取るにはどうすればよいか、それは人間が働くのと一緒で健康で元気な樹を作りよく働いてもらわねばなりません。みかんの木には畑からしっかり栄養を取らせ、病気や害虫から守らねばなりません。今は病気や害虫からみかんの木を守るための作業が仕事です。

 

みかんの実や木が感染しやすい病気がいくつかありますが、今の時期防がなければならない病気は黒点病・カイヨウ病・ソウカ病などがあります。これらの病気は少しだけなら木にとっても実にとっても健康に影響はないのですが、ひどくなると問題が出てきます。また今の時期にやっつけないと取り除くのが困難になる害虫にカイガラムシ類があります。柑橘にとって被害の大きいカイガラムシはヤノネカイガラです。この害虫は昔は日本にいませんでしたが、戦前のある時期に大陸から侵入しました。ヤノネカイガラにとっては新天地の日本には天敵がいなくて柑橘に甚大な被害を及ぼすようになりました。私の子供のころにはこの小さな害虫を殺すための薬剤が無く天敵もいないので猛威をふるった時期があったようです。その頃はこの虫を殺す方法として大変危険できつい作業ですが、みかんの木を天幕でコッポリ覆い中に青酸ガスを充満させ虫を殺していました。青酸ガスの取り扱いはとても危険な作業でした。その後殺虫剤がたくさん開発されるようになって害虫に対処する方法も変わって来ました。カイガラムシの仲間はかたい殻をかぶっているので薬が効きにくいのです。ヤノネカイガラ虫は今の時期に2齢か3齢でまだ固い殻をもっていないので殺虫剤が効きやすくたたくには今しかないのです。それでもヤノネカイガラ虫を殺すには浸透性の強くて毒性の強い劇物に指定された農薬が必要です。薬剤散布をする私にも毒性は効きますので出来るだけ肺に吸い込まないように、皮膚からも浸透しますので皮膚を出さないようにしなければなりません。水を通さない合羽を来て、長靴にゴム手袋、マスクにゴーグル、これだけ着ると気温が高いと厳しいですよね。福島の原発事故の後始末をしている人たちの大変さが良くわかります。あちらは何を着ていても放射線は容赦なく入って来ますから尚たちが悪いです。

今の時代、お店に並ぶ果物はみんなきれいでヤノネカイガラ虫の付いたみかんなど見たことが無いでしょう。農家は危険に身をさらしながら害虫の防除を徹底的に行っているからです。ヤノネカイガラ虫とはどんなものかご覧に入れましょう。ヤノネカイガラ虫の生態はとても変わっていてそのことについても写真でお見せしたいと思います。黒い殻をかぶっていてみかんの実や葉や茎に付着して木の汁を吸って生きています。木は樹液を吸われますのであまりにも沢山の虫が付くと枯れてしまいます。黒いごまのような姿からこの虫が昆虫であることは想像しにくいのですが、生まれて発生の初めのころを見ると昆虫であることが納得できます。卵から孵化したときの幼虫は足が6本あってみかんの木の上を這いまわります。一日するとメスは定着する場所を決めてそこを動かなくなります。オスのほうは孵化した所の近くで大きくなり成虫になるとちゃんと翅があって飛べるようになります。そして飛び回ってメスを探し交尾しておしまいとなります。メスは最初に定着した所から一生動くことはありません。飛び回るオスは問題ないのですが、定着して木の汁を吸うメスが困るのです。ヤノネカイガラ虫は一年に2回発生します。5・6月と8月頃です。果実に付着するのは2回目に発生した成虫です。この害虫をたたくには6月と8月の末ごろの二回チャンスがあります。その他には冬の休眠期に機械油乳剤で被膜を作り窒息死させる方法もあります。農業において作物の害虫や病気とどう付き合うかは難しい問題です。ヤノネカイガラ虫を殺そうとするとみかんの木の周りで生活している昆虫は皆殺しにしてしまうのです。恐ろしいことですがしばらくの間は沈黙の世界です。それでも自然の再生能力は強くてじきに元には戻ります。やっつけたはずのヤノネカイガラ虫だってどんなに丁寧に薬剤散布をしても全滅はしていません。放っておくとやがて元のように戻ります。

虫の世界のことは面白いことがたくさんあって書いていると長くなりますので、今夜はこの辺で。

 


薬剤散布の準備

 

写真で自分を見るとまだ耳が露出していますね。

 

散布の方法はいろいろあるのですが葉の裏にいるヤノネカイガラ虫をやっつけるには細かな霧での噴霧が必要です。

 

みかんの葉に付いているヤノネカイガラ虫

 

たくさんの虫が付くとこのように枝が枯れます。

とても小さい虫ですから拡大してみましょう。

 

↑の所の虫には穴が開いています。ヤノネカイガラ虫の天敵の寄生パチが出た穴です。何年か前に天敵を中国から移入しました。

 

 

果実に着いたヤノネカイガラ虫

これほどたくさん付くと商品にはなりません。栄養分を虫に取られるため果皮が緑のままです。

 

一般的にはこんな薬剤を使います。

医薬外劇物です。身分証明が無いと買えません。

 

無農薬・減農薬は消費者が好みますが、生産者も消費者以上に好きです。3Kの仕事はできれば避けたいですからね。

 

 


6月は 生命の躍動の時

2018年06月15日 | 日記

今日の花

イケマの白い花  イケマというのはキョウチクトウ科のつる性の植物でアサギマダラの夏場の食草です。植物図鑑によると北海道・本州・四国・九州に自生すると書いてありますが、暖地の周防大島にはありません。山口県全体を探しても県内で最も高い山で標高1300m余りの寂地山にわずかに生えているのみです。主に見られる所は東日本の高山帯や北日本のようです。そんな植物がなぜか我が家のみかん畑で育っています。そのイケマの隣には南の方の島などに生えている同じキョウチクトウ科の植物のツルモウリンカなども植えてあります。アサギマダラはちょっと戸惑うかもしれませんね。

 


 梅雨も中休みなのでしょうか、青空の気持ち良い天気でした。

温帯にある日本には一年の季節が五つあると言われることがあります。春・夏・秋・冬の四季に加えて、雨季の梅雨時を一つの季節として考えても良いのではないかと言う発想です。私の季節感で言わせてもせらうと12月・1月・2月が冬で、3月と4月が春ですね。5月はもう春と言うよりは夏に近くて初夏と言ういい方もあります。6月と7月の中旬の梅雨明けまではまだ夏と言うには早すぎます。5月の初夏と6・7月の梅雨を一緒にすると立派な一つの季節になると思います。7月の梅雨明けから8月と9月をひっくるめて夏とし、10月と11月が秋と言う感じです。春と夏の間に二か月半もあるのですからキチンと名前のある季節を一つ作るといいですよね。その季節をたとえば「緑」と名付けましょうか、そうすると春・緑・夏・秋・冬の五季になります。

「春」は命の始まりです。植物は芽を吹き、卵は孵化し、眠っていた蛹は目を覚まし、種は発芽します。五月から七月までの「緑」の季節には成長や繁殖が始まります。暑く厳しい夏が始まるまでに大方の成長を遂げなければなりません。今はまさに生命の躍動するときではないでしょうか。生き物たちの観察がとても楽しい季節です。

 


植物の成長

春に芽を出した柑橘の赤ちゃん

 

どんぐりから芽を出し成長し始めた樫の木

 

芽のでそろったキジョランの苗

 

種まきを忘れていて最近になってあわてて播いた???の種

 

五月に桜の実がなったのでいろいろ播いてみました。まだ芽が出ません。

 

三月から四月の初めに挿し木した椿 ポリ袋の中で新芽が伸びています。根も出ていることでしょう。

 

昨年の秋に播いた椿の種が小さな椿の木になっています。

 

 


いきものアサギマダラの成長

 

南の島々で冬を越したアサギマダラは春になって北上してきます。大島へやって来たのは四月の末から五月の中頃まで手す。その時キジョランやイケマに産卵してからさらに北上してゆきます。その時産み付けられた卵は今すべてさな樹にまで成長しています。

珍しく最近産卵された小さな幼虫がいました。

 

緑色の健全な蛹

 

その他の蛹はすべて茶色に変色していて寄生昆虫に侵されていました。

繁殖期には幼虫を狙った寄生昆虫も活発に動きます。

多くの幼虫は犠牲になります。

 

 


この季節の青空はとても気持ちがいいですね。

 

雲の中を飛ぶ飛行機雲

飛行機雲の名残り

 

おびただしい数の羊が移動してゆくように嵩山のうえを通過してゆきます。

遠く四国の上に入道雲の子供が見えますね。

蝶や鳥そしてホタルなどと飛ぶものが好きな私ですが耳を押さえたくなるような轟音とともに飛んでゆくこの手のものは好きになれません。

 

 

最後にスナビキソウに毎日集まって来るアサギマダラです。

翅が少し破れていますね、もうみんな北国へ行ってしまったのに君は行かないの。

 

 

夕方、病院へ行ってきました。大したことではありません。昨日仕事中に右手の人差指の先の方にとげが刺さって痛むのです。痛いと言うのは体の異常を知らせるシグナルですからどんなことでも放っておくのは良くないですよね。頭が痛い、お腹が痛い、腰が痛い、みんな危険を知らせるシグナルです。とても小さなとげが指先に刺さっているのですが右手の人差し指はよく使いますから痛いのは困ります。今キーボードも人差し指が使えないので難儀しながら文字をうっています。とげの刺さった所が左手の指だったら自分で右手を使って切開してとげを取り出すことができるのですが、左手は自由に動きませんので仕方なくお医者さんに取ってもらうことにしました。小さなとげでしたら放っておいても下から肉が盛り上がって来て時間が経ては体外に押し出しますが、長い時間がかかります。その間不自由をするのはかなわかいので、切開していただくことにしました。病院では二時間半待ちました。病院と言う所は待つのに体力がいりますので元気な人でないと行けないのではないかと思いました。

その時の夕方の景色です。空の雲を見ると夏が近いことを感じます。

連絡船が岬をまわろうとしています。瀬戸の花嫁は乗っているでしょうか。