医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

追い込まれる

2024-03-05 04:08:34 | 薬局
見えないところで、見えないように、次の時代に向けた動きが感じられる。

正直なところ私の好きな中小薬局は誰が守ってくれるのか。
中小薬局の存続を考えている組織はあるのか。
先日も書いたが、あるメディアで日本薬剤師会の会長が「日本薬剤師会は薬剤師としての職能団体であって、薬局と言う職業団体ではない」と書かれた記事を見た。
確かに、そうかもしれない。
もし中小の薬局が、日本薬剤師会が自分たちを守ってくれると考えていたら、ひょっとすると大きな勘違いが生じるかもしれない。
日本薬剤師会を批判するつもりはない。
薬剤師としての職能を評価してもらえるような活動をしているのだと思う。

厚生労働省は2024年度の厚生労働科学研究において、薬局薬剤師の対物業務の効率化に向けて3つのテーマを研究事業として取り上げたそうだ。
「箱出し調剤」「調剤ロボットなどの調剤機器の導入」「非薬剤師による調剤補助の有用性や安全性」である。
上記のテーマは薬局薬剤師の対物業務の効率化に向けてというが、一般的に効率化とは費用削減につながる。
私から言わせると調剤報酬における「薬剤調製料」の引き下げにたどり着くように思う。
そして効率化とは”薄利多売”じゃなきゃ成り立たない仕組みになるのではないだろうか。

欧州(EC)などでは箱出し調剤が主流であり、薬剤師の関与はほとんどない。
先進的な薬局では箱出しロボットが自動的に取り揃えてくる。
日本のように取り揃えてからの計数調剤はなく箱のままだ。
アメリカなどはボトル調剤で、いわゆるテクニシャンが錠剤をオオレンジ色のプラスチック遮光瓶に取り分けている。
原始的なようだが、投薬される薬の数が多くても3種類程度なので間違いが少ない。
どちらにも共通するのが、薬を取りそろえる業務に対する報酬などないってことだ。
もちろん手間のかかる散剤の混合も一包化もない。

どこまで進むかわからないが「調剤業務の一部外部委託」の実証実験が始まろうとしている。
上記3つの厚生労働科学研究は「調剤業務の一部外部委託」に向けての下準備のように思えてしょうがない。
これには何らかの意図を感じている。

中小薬局の経営は対物業務も大切な業務であり報酬が伴う。
それをある程度は温存して欲しい。
あるのが当たり前ではない状態が近づきつつある。

ただ難しいのは中小薬局の報酬を維持すると、薄利多売に有利な大手調剤チェーンやドラッグストアとの価格的な不利に追い込まれる。
ここも悩ましい。
今回の敷地内薬局に対する報酬のあり方は、ますます敷地内一極集中になりそうな気がする。

中小薬局が生き残っていける調剤報酬に向けた調査研究が欲しいところだ。
それを職能団体に期待するのは難しいかな。
今日は調剤報酬改定の告示があるようだ。
どんなものだろうか。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする