医療・介護を支える継続企業の知恵袋

毎日ブログを書き続け10年が過ぎました。2025年、2042年に向けた医療介護の厳しい時代を乗り切る策を考えます。

矛先転換

2013-10-11 05:30:17 | 薬局
なかなか攻め方がうまい。

今月9日に中医協の審議があった。
テーマを見てあまり関係ないと思いきや矛先は薬局にあった。
高齢化の進展に伴い、複数の慢性疾患を抱えた高齢者は複数の医療機関を受診する。
当然のこととして複数から薬ももらって来る。
この「一元的な服薬管理」をどこでやるかが問題となった。
それを薬局ではなく主治医の外来の評価として、「診療所や中小病院内で行ってはいかがか」と意見が飛び出す。
要は、院内での薬の管理を評価すると言っている。
これは明らかに医薬分業から逆行する。

薬局に「かかりつけ薬局」がある様に、医療機関にも「主治医機能」がある。
高齢者は高血圧、糖尿病、脂質異常症、認知症など複数の慢性疾患を抱えている。
この事を踏まえて継続的、全人的医療の提供から、主治医の機能として4項目が提示された。
「服薬管理」、「健康管理」、「介護保険制度の理解と連携」、「在宅医療の提供と24時間の対応」だそうだ。
これって「かかりつけ薬局」としてやっていなきゃいけなかった事かもしれない。

生活習慣病は薬だけでは治らない。
食事指導や運動指導、生活改善が一番の薬のはずだが、薬剤師は薬を飲んでもらう指導に重点を置いてきた。
患者と向き合い、病気と取り組む姿勢に欠けていたような気がする。
また、認知症についても、早期発見が何よりと思いつつ発見するスキルを学んでいない。
「あれ」、「おや」が大切だった。

何かあった時に相談に行ける薬局は過去の存在なのか。
「地域の健康に貢献します」などが書かれた理念の具体的な活動はなんなのか。
特定健診・特定保健指導事業への出遅れが、地域の健康管理から遠ざかってしまった気がする。

セミナーで「介護認定を受けたいのですが」の患者からの質問に答えられた薬剤師は稀だ。
介護サービスについての質問で「デイサービスとデイケアは何が違うんですか」と問われて、その違いを説明できるだろうか。
「おじいちゃんを高齢者施設に入れたいと思うが、サ高住と特例施設は何が違うんですか」
在宅も必要性は認めているが腰が重い。
などと言っている内に服薬管理までもが奪われようとしている。

この議論の根拠となったのが「重複投薬・相互作用防止加算」である。
この回数が少ないことに起因している。(算定率0.05%:2011年)
6剤以上の多剤投与は全体の37.5%あり、平均処方薬剤数は4.9剤になる。
さらに、うつ病やパーキンソン病患者では、6割以上の患者で6剤以上の多剤投与が見られたとしている。
また、高齢者施設での内服薬についても鋭く指摘があった。
特別養護老人ホームと介護老人保健施設の入所者の薬剤数が5.0剤と4.8剤となっているが、特定施設(介護付き有料老人ホーム)では6.3剤と増えている。
備考欄には特定施設入所者の約40%が7種類以上の服薬があったとある。
しかも介護度は他の2施設よりもはるかに軽度にもかかわらず。
この仕組みはかなり怪しい。

そろそろ改定のあらましが見え始めてきた。
この落としどころはどうなるのか。

今日からHSEセミナーが始まる。
その準備で今朝も5時前から事務所で何が伝えられるか資料を整理している。
昨日は、千葉県にあるサ高住を2軒見学してきた。
何となく薬が多くなる要因も見えるような気がする。

また長すぎだね。
「全国大会」にも飛び入りできてください。



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コメント (2)
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