花ごよみ

映画、本、写真など・

月の満ち欠け   佐藤正午

2017-07-23 | 本 さ、た行(作家)

月の満ち欠け 第157回直木賞受賞

まるで月の満ち欠けのよう
何回も何回も生まれ変わる。

愛する人に会うため、
生と死を繰り返す。
転成の話。

前前前世の愛の物語。

年代を超えた瑠璃という名の
女性の登場。

度々出てくる言葉「琉璃も玻璃も照らせば光る」
つまらぬものの中にあっても
光を当てれば多くのものに混じっていても
美しく輝く。
どこにまぎれていても
その人が瑠璃だと分かる。

繰り返しの子供。
前世を記憶する子供。
命はリレーのように。

生まれ変わっても
もう一度会いたいという想い。

あり得ない話なのに
真実みも感じられ
不思議とすらっと読むことができました。

それぞれの瑠璃に引きこまれます。

込み入った人間関係、
どの瑠璃か分からなくなって
読んでいる途中に
名前を書き出しました。

直木賞受賞されました。
まだ受賞されていなかったとは
ちょっと意外。   




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罪の声  塩田 武士

2017-07-23 | 本 さ、た行(作家)

罪の声

グリコ森永事件を基に
未解決事件「ギンガ萬堂事件」と
して描かれた小説。

事件、予告文、などはノンフィクション。
テープの子供の存在も事実。

脅迫テープの声に使用された
二人の子供の人生。

録音テープに残る声。
自分の幼いころの声が
脅迫に使われていたという
驚愕の事実。

実際に同じ立場に立たされた人が
確かにいるはず、
辛い人生を送っている人が
きっといるんだろうなと想像すると
やりきれない気持ちになります。

事件に巻き込まれた子供の人生に
焦点を当てた小説。

事件の動機も一応納得、
読み応えのある小説でした。

事件の被害者でもある二人の姿、
子供を犯罪に巻き込むということは
子供の未来、希望までもが
奪われるということ。
ラストは涙でした。





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