近々、永作博美、井上真央主演で、
映画が上映されます。
それまでに読まなければと思い
やっと読了しました。
文庫化されています。
内容はというと、
不倫相手の赤ちゃんを誘拐、
その後3年半にかけて、
逃亡生活を送った野々宮希和子。
その希和子によって薫と名付けられた子供、
3年半後、希和子が逮捕されたことにより
実の親の元に戻される。
そして名前は薫から恵理菜となる。
成長し大学生となった秋山恵理菜。
恵理菜は不倫相手の子を身ごもってしまう。
1章、2章と構成されています。
1章は希和子と薫の逃亡生活
読んでいてハラハラさせる展開です。
2章では薫から恵理菜となって、
実の親の元で成長した女性を描いています。
誘拐という犯罪行為でありながら、
惜しみない愛情で、
全てを捨てた引き替えである、
小さな命を守り、
はかない基盤の上に立ちながらも、
今日、明日、一日でも長く
薫といっしょにいられますようにと、
心の中で祈り続ける。
薫さえいればそれだけでいい。
薫と出会い薫といっしょに、
生活することによって、
いっぱいの幸福を感じる希和子。
ラストの希和子と、
薫が引き離されるシーンは
希和子の母親としての、
あふれる愛情の強さが表出されていて
心が揺さぶられました。
思わず涙が…
男のダメさ、
道に背いた許されない行為、
これは犯罪なんだということに、
モヤモヤ感も残りましたが…
逃亡先の希和子の周囲の人物は温かく、
小豆島の美しい景色は心が和みます。
生き生きと描かれた主人公の揺れる心。
実の母ではなくても、
子供に対する母親としての、
愛情の深さには感動しました。