ゴヤの見たものっていったい?
興味津々で映画館へと足を運びました。
ゴヤの生きた時代、
スペインという国は、とても複雑で、
特殊な様相の歴史を呈しています。
ゴヤは王室の画家としての視線で、
波乱に富んだ時代を見届けます。
カトリックの権威を
高めるための過酷な異端審問の恐怖。
隣国フランスの革命
ナポレオン軍の台頭
そしてスペインへの侵攻。
この波乱の時代をうまく生きぬいた
スペインの画家ゴヤが見た、
彼の絵のモデルの2人。
イネス(ナタリー・ポートマン)と
ロレンソ神父(ハビエル・バルデム)。
美しいナタリー・ポートマンが汚れ役に挑戦。
異端者とされ、年月を経て悲劇的な姿、
精神までも病んでしまい…。
純粋な心を持った
イネスの悲しみに満ちた結末。
哀れでやるせない気持ちです。
ころころ変わる政権に、
翻弄される人びと。
混沌とした時代背景。
映像さえもゴヤの描いた、
絵画のようです。
ゴヤの自画像はゴヤ役の俳優
ステラン・スカルスガルドとそっくりでした。
エンドロールには、
ゴヤの描く人間の露骨な本性を描いた、
妖怪のような人物が登場する絵画を
大画面で見ることができます。