日本裁判官ネットワークブログ
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1 秋も深まり,食べ物が美味しい。わが事務所は月1回を目標に,概ね年7~8回程度外食の昼食会をしている。今年も9月末ころお気に入りの「飯屋」に松茸ご飯を食べに行った。毎年期間限定で千円程度で美味しい松茸ご飯を食べさせてくれる店である。
2 松茸ご飯がメニューになっていることを確認しただけで,少し早めの時間なら予約しなくても大丈夫だろうと判断して,11時半ころ6人で自転車で事務所を出た。11時40分ころにはその店に着いたが,何と既に行列ができていた。やむなく別の店に行って,ごく普通の食事をした。「世の中には何と暇人が多いことか?」などとボヤキながら,今年の松茸ご飯は諦めることになったのである。
3 ところが,先日来客者が「これをどうぞ。」と言って,ビニール袋を置いて帰った。暫くしてその袋を開けて見ると,何と笠の大きさが15センチ余り,高さ20センチという巨大松茸が1本入っていた。生まれて初めて見るような大きさである。しかも松茸の強い香りが漂っている。
4 さてどうしたものか。私は早速事務所で調理して食べることを提案した。「半分は焼いて食べよう。残りの半分は吸い物にしよう。」と言うと,「焼き松茸って美味しいんですかね。」などと,あまり芳しい反応ではない。そこで結局先頃食べ損ねた松茸ご飯を作ることになった。何しろ誰もそんな料理を作った経験がない。早速私がパソコンで,「美味しい松茸ご飯の作り方」を探して,何種類かの調理法を印刷した。
5 どうやら松茸の他に,油揚げがあればよいらしい。醤油と日本酒,塩とかつお出し汁などを家で準備し,電気釜なども一緒に事務所に持参した。事務所まで家から約1キロを車で運ぶだけなので,何ということはない。
6 料理のベテラン女性陣3人は,何やら忙しそうに,留守にしたり飛び回っており,結局独身女性の事務員と私とで相談しながら,,印刷したレシピを覗き込んで,事務員が本の通りに調理した。その事務員は新婚早々の新妻はかくの如しかという風情で,「美味しくできるかなー。」と不安げである。彼女が刻んだ松茸をみると,大きなドンブリに一杯となっており,量が多く4合の米に一度に使うには多すぎる感じで,半分だけ使うことになった。炊飯器のスイッチを入れてから完成までに約1時間を要したが,40分くらい経過すると,松茸ご飯の美味しそうな強い香りが事務所中に漂った。その間仕事での来客者や郵便配達の人や,多くの客が出入りし,少しヤキモキした。
7 「ピッピッ」と炊飯器の音がして,炊きあがったことが告げられた。早速かき混ぜようとして,シャモジがないことに気がついて,大きめのスプーンで対処した。おかずやインスタント味噌汁も用意してやや遅めの昼食会が始まった。不安は無用で,絶妙な味の松茸ご飯ができており,「美味しい!」と皆さんの絶賛を博した。その女性事務員はニコニコととても嬉しそうにしていた。また来年も作ろうかという雰囲気になった。
8 午後4時ころ,私は自宅に帰り,4合の米と大量に作っていた残りのかつお出し汁などを事務所に持参し,残り半分の松茸でもう一度松茸ご飯を作った。そして松茸ご飯をラップに包み,家族のお土産として,皆さんいそいそと持ち帰ったのである。とにかく感動の1日であった。美味しい松茸ご飯が甚だ簡単にできることを知って,味を占めることになった。来年もまた誰かが松茸を呉れるよう期待しつつも,呉れる人がいなければ,自分で買って,また松茸ご飯の昼食会をしようと思っている。(ムサシ)



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