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「柿についての一考察」(第201回)

2013年11月13日 | ムサシ

1 秋も深まり,食べ物が美味しい。そして柿のシーズンでもある。私はかなり柿が好きである。「柿喰えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」(正岡子規)という有名な句もあるが,私はその俳句が何を詠ったものかよく知らない。ただ子規も柿が好きだったそうである。「柿の実が赤くなると,青くなるものなーんだ」というクイズもある。答は「お医者さん」である。柿を食べるとみんな病気にならないので,お医者さんが青くなるというのである。
2 柿にはビタミンCとカロチンが多く含まれ,風邪を引きにくくなったり,免疫力が高まると言われている。また柿に多く含まれるタンニンは血圧を下げるそうである。私が子供のころ,わが家には柿や栗,桃やぶどうなどの結構広い果樹園があり,私が父母と同居していた小中学生のころは,果物を主食のように食べて成長した。特に小学生のころは,秋になるとまるで山猿の如く柿の木に登って柿を食べて暮らしていた。今私がそこそこ健康であるのは,柿を沢山食べて大きくなったお陰であると固く信じている。
3 関ヶ原の戦いに敗れて徳川軍に捕縛され,斬首される直前に石田三成が,喉が乾いたので水を所望したところ,「水はないが柿がある」と言われて,「柿は痰の毒であるからいらない。」と断ったという有名な逸話がある。「すぐに命を失う者が毒を絶って何になる」と嘲笑されたのに対して三成は,「大志を持つ者は,最後の時まで命を惜しむものだ」と泰然としていたそうで,三成は逆境の中でも志を失わなかった人物とされている。
4 ところで漢方では,柿は痰の毒ではなく,痰の薬だとされているようなので,三成が間違えたのであろうか。もっとも柿は体を冷やしたり,利尿作用があるので夜食べると夜中にトイレに行きたくなったり,タンニンを多く含むので便秘になったり,鉄分の吸収を妨げるそうで,貧血の人は食べ過ぎないようにとも言われているそうである。そうしてみると,柿の食べ過ぎは体に良くないかも知れないが,私にはその実感はない。
5 私は「健康オタク」であるが,最近は「健康オタク家」と自称している。その健康法のひとつに「果物健康法」がある。バナナとトマトとリンゴとミカンは年中できるだけ多く食べる。秋には柿を毎日1個,シーズンにはイチゴ,モモ,ブドウ,スイカなどもセッセと食べる。その程良い分散の仕方に工夫が必要となる。
6 私は果物の入れ物として直径約10センチ,高さ約8センチの円筒形の入れ物を100円ショップで買ってきた。その中に日替わりで適度に分散して果物を入れて,毎日事務所に持参し,昼食時の他にも密かに食べる。車での出張時にも携帯する。もう5年以上は続いており,素晴らしい健康法だと自負している。
7 最近リンゴは皮ごと食べている。それでも結構美味しいし,皮に栄養分が多いように思うのである。そこで柿も皮をむかずに水洗いして,へただけ取って,皮ごと6等分して暫く食べてみたが,皮付きの柿は皮付きリンゴのようには美味しくない。柿の皮の栄養分はどうなっているの調査未了であるが,柿を皮ごと食べるという名案は頓挫しそうな形勢である。皮をむいて,皮だけ別に食べるという実験も継続は困難かも知れない。
8 ティッシュを折って,水道の水を含ませてへたに貼り付けると,熟して柔らかくなり易い柿が1週間以上は堅さを保持できる。柿のシーズンにはわが家の台所は,私が衝動買いした柿が,広げたタオルの上に沢山逆さになって並べられている。秋には夜帰宅後,柿のへたのティッシュに水を補給するのが,私の日課となっている。(ムサシ)