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「クルム伊達公子選手のこと」

2011年06月23日 | ムサシ

1 プロテニスの女子選手にクルム伊達公子という人がいる。現在40歳で世界57位である。今年の全英(ウィンブルドン)テニス大会の初戦で15年振りに勝利した。この大会の女子シングルスで史上2番目の年長勝利ということである。その2日後の2回戦では,元世界女王のビーナス・ウイリアムズ選手(米国)を相手に,破れはしたものの,どちらが勝つか最後まで分からない熱戦を演じた。彼女の熱き戦い振りに感動したので,衝動的にこの小文を書くことになった。

2 1回戦は,オブライエン選手(英国,世界215位)を相手に,6:0,7:5でストレートで勝った。格下の相手とはいえ,15年振りの勝利を「勝ちに行って得た勝利」だと喜びを語った。2回戦は,セット1:1,最終セットも6:6となり,どちらが勝利しても不思議ではない展開で,日本時間で夜の12時過ぎに決着がついた。最終セットは6:8で破れたが,私は体が痺れる思いで,事務所のテレビに釘付けになって,固唾を飲んで最後の30分を見た。伊達選手がポイントを挙げると思わず拍手したりした。実に惜しかった!

3 伊達選手は,かつて世界第4位まで登り詰めた日本が誇る名選手である。かつて世界女王であったシュティフィー・グラフ選手に勝利したこともあり,私も以前,販売されていたそのビデオテープを見つけて購入し,今も持っている。最近のテレビで,かつてその試合が行われていた時の,確かNHKのテレビニュースが臨時に延長されて,そのことが放送されたと,ある解説者が話していた。

4 伊達選手は,確か外国人のレーサーと結婚し,惜しまれて若くしてテニスを引退した。そして子供のテニス指導などで活躍していたが,2~3年前に確か38歳くらいでプロテニス選手として復帰するや,みるみるうちに日本女子選手のNO1選手になり,現在は2位である。
 家族でそんな伊達選手の話をしていると,偶々孫を連れて帰省していた次女が,最近のテレビで見たということで,こんな話をしてくれた。伊達選手夫妻は子供が欲しかったが,できなかったようである。おそらく子供が欲しくて,伊達選手は若くして引退したのではあるまいか。その後,プロテニス選手として復帰するかどうか悩んでいたところ,夫が「僕は子供は欲しいが,子供が欲しいから君と結婚したのではない。君が好きだから結婚したのだ。」と言って,悩んでいた伊達さんの復帰に賛成してくれたため,彼女も踏ん切りがついたというのである。その後の彼女の活躍は目を見張るものがある。

5 とても素敵な話である。そしてテニス選手としては異例の40歳という年齢でのこの活躍である。彼女は自らの実践によって多くのことを教えてくれている。人間という生き物は,目標を持ち頑張る決意をすれば,常識を超えるような活躍ができる存在のようである。伊達さんの生き様から我々は一体何を学ぶことができるのだろうか。少し時間をかけて考えてみることにした。(ムサシ)
(本稿は,衝動的によく調べないで書いたので,不正確な部分もあるかも知れません。)