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1 「ウリ」というのはわが家のメス猫の名である。まもなく14歳になる。わが家にはムサシというオス犬とウリがいる。子供たちが名づけた。

2 私たちは松江市に4年住んでいた。そして夫婦ともに神戸管内に転勤となり,妻は姫路支部に,私は社(やしろ)支部に赴任したが,長女の高校受験期だったため,姫路の高校と私の郷里の岡山の高校のどちらを受験するかしばし検討した。そして進学校である県立高校に入学可能性の高いと思われた岡山の高校を受験することになり,結局同市内の進学校である私立高校に入学した。
 そして岡山市内に一軒家を借家し,妻と子供2人はその借家に住み,妻は姫路支部まで新幹線通勤した。私は姫路の宿舎に単身赴任し,社支部まで片道30キロをマイカー通勤した。

3 借家して間もなくの平成7年5月ころ,借家の庭に生後3か月前後と思われる子猫が現れた。ある朝「ニャ-,ニャ-」と可愛いい声で鳴いていたそうである。首輪はなかったが,穏やかな顔付きで,人を警戒する様子もなく,野良猫ではなさそうであった。飼い主の転居に際して飼い猫が捨てられたのかなという雰囲気で,子供たちは「飼いたい」と言った。私は週日は留守であることもあって,すぐにはOKしなかった。子供たちは,毎日軒下に牛乳を入れた食器を置いてやったそうである。数日後大雨が降ったが,猫は軒下で粘っていた。子供たちはダンボール箱にタオルケットを敷いて,雨のかからない軒下に置いてやった。そして1週間が経過した。子供たちは意を決した顔付きで,「お父さん,猫を飼ってもいい?」と言った。さすがに私たちは拒否できなかった。猫と子供たちの粘り勝ちというところである。

4 その日から,猫の住み家の箱は廊下の片隅に移動した。子猫は嬉しそうに家の中を走り回っていたそうである。子供たちは「ウリ」と名付けた。その意味は分からない。聞いたようにも思うが,忘れたのかも知れない。
 ウリは今でこそ,わが家の主のような顔をしているが,飼い猫となった当初はとても神経を使っていたようである。わが家は4人家族で,私は週末帰省であったが,週日最初に帰宅するのは小学5年生の次女であった。玄関の戸が開く音が聞こえると,ウリは2階から階段をピュ-と飛ぶように降りてきて,玄関にちょこんと座って,「ニャ-,ニャ-」と鳴いて毎日出迎えたというのである。やっと安住の地を得たので,追い出されないように,気を遣っているのだろうと,家族で笑いあった。

5 この猫と,その1年後にわが家の住人となった犬と,それ以外にもリスやうさぎなど,考えてみると結構いろいろな動物たちが,子供たちの精神的な成長に大きく関わったということになる。悲しい別れもあって,子供たちは何度か大泣きをしたり,墓を作ったりした。(ムサシ)


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