日本裁判官ネットワークブログ
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1 再びわが家で猫を飼うことになり,数日前からわが家に住んでいる。野良猫を貰ったのである。夏目漱石を真似て,「名前はまだない。」と言いたいところであるが,名前は決まった。前に飼っていた猫が死んでから2年半,犬が死んでから1年半になる。2人の子供はどちらも結婚して関東地方に住んでおり,夫婦2人で忙しく,少し寂しく暮らしてきた。
2 甚だ急な話であった。女性事務員が野良猫の子猫を飼ってくれる人を探している人がいるという話をして,彼女のケイタイに送られてきた写真を見せてくれた。4匹いたが,そのうちの1匹がとても可愛いいミケ猫であった。その写真を見た瞬間,私が「この猫を飼います。」と即断したのである。その事務員はもとより,そばにいた妻もビックリ仰天し,「あなたどうしたの?」と聞いた。私はもう一度,「この猫を飼いたい。」と言った。猫好きの妻に異存はなく,話は即座に決まった。私がそのように瞬時に決断したことについては深い訳があるが,今は書かない。
3 事務員のご主人の友人の家の裏庭に,野良猫が4匹の子猫を生み,生後3か月である。その母猫が突然いなくなり,その友人の家で餌をやるなどの世話をしてきたというのである。事務員はすぐにご主人にメールを送り,子猫を貰う話は間もなく纏まった。片道1時間の所までわが家が貰いに行くと言ったのであるが,ある日曜日に臨時の仕事が入り,わが夫婦とその事務員が拘束されることになったため,事務員のご主人と4歳の女の子が2人で貰いに行ってくれることになった。ただ心配は,女の子が「私の家で飼いたい。」というのではないかということであった。
4 その日曜日に,丁度3人の仕事が終わったばかりの所に,事務員のご主人と女の子が,子猫をタオルケットを敷いた大き目のダンボールに入れて,事務所に持ってきてくれた。とても可愛いい猫で,ニャーニャーと元気な声で鳴いた。人によく慣れており,喉をゴロゴロと鳴らしている。
5 餌も持ってきてくれていたので,箱から出す前に,餌をやることになった。女の子は軽く箱を手で掴んでいたが,ふとみると泣き出しそうな表情で体をこわばらせている。猫はとても人慣つこくて,女の子が猫を恐れているとは思えない。私と妻は顔を見合わせた。もしかすると,「猫は私が飼いたい。」と言い出すのではないかと思ったのである。その女の子には,両親から「猫は自分の家で飼うのではなく,先生が飼うために連れてきてあげるんだよ。」と言い聞かせてあり,女の子も十分納得している筈であった。暫く女の子の沈黙が続いたあとで,猫を箱から出してやり,女の子の手のひらにのせた固形餌を猫に食べさせることに成功した。女の子は「食べた,食べた!」と大きな声で嬉しそうに言ってニコニコとした。猫は事務所の中を走り回ったり,応接机の椅子の下に潜り込んだりして,女の子が追いかけていた。私は何枚もデジカメで写真を写した。
6 おそらく女の子は子猫が可愛くて,家に連れて帰りたいという思いと格闘していたのではないかと思った。事務所の1階の駐車場で,私が子猫を車に乗せて帰ろうとしたとき,女の子は大きな声で,何度も何度も「さようなら,さようなら」と叫んで見送ってくれた。以前このブログの「デブの効用」という一文の中で書いた,私とお相撲を取ってくれた女の子である。かくして子猫はわが家の住人となった。(ムサシ)



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コメント
 
 
 
Unknown (はるな)
2014-01-25 11:29:07
私、今年から一人暮らしとなり、猫飼いたい願望が芽生えてしまいました。4年前、家を新築した事もあり、もし、猫を飼った場合、家具、壁などの爪とぎ防止などどうすればいいのかが、悩みの種でございます。私の寝室には、プライベートバルコニーがあり、水道、屋根、付きなので、そこにトイレなど置いて飼う事も可能なのですが、帰宅したときは、真っ先に駆け寄ってきてほしいいので、現実と理想のバランスがかみ合いません。でも、しかし、猫が飼いたいのです。
 
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