日本裁判官ネットワークブログ
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  山田洋次監督の「母べえ」を,ある女性と一緒に観た。
寅さんが死んだ後も,監督の一連の作品は相変わらず好調である。今回の映画も前評判に違わない。
 暗く悲しい時代の重いテーマを扱っているのに,監督の目は決して深刻になっていない。明るさが救いである。子役達がいい,いつもとうって変わった髭ぼうぼうの坂東三津五郎がいい,鶴瓶の演技も存在感があった。(そうか! カアべえにはツルべえが合うわけだ!)
 しかし,何と言っても,元祖サユリスト世代の老ジャッジには,やはり吉永小百合が一番よかった。日本の母を見事に演じきっている。

 母べえは,針仕事をしながら,獄中の夫への文を,二人の子どもに口ずさむ。抑えのきいた静かな語り・・・。澄み切った悲しみが胸一杯に広がる。モーツアルトの愁いに満ちたの旋律のように。

 吉永小百合は,最初に話があったとき,年齢からして無理だと監督に断ったが,監督のたっての頼みに出演することになったという。わが同学年の吉永小百合だけは,まだまだ十分に若い。

 「それでもボクはやっていない」の周防正行監督と裁判について語りあった実績を持つわが裁判官ネットワークである。今度は,吉永小百合さんを招いて,「母べえと裁判員制度」という深淵かつ,何だかよく分からないテーマで例会を持てないものか。老ジャッジの妄想は発展する。
「そしたら,サインが貰えるのに・・・」
 一気にミーハーに変身するところが情けない。
ちなみに,一緒に映画を見た女性は,何を隠そう,わがカミさんでした。
(蕪勢)


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